彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「マジで救えないワルもいるが、逆恨みで狩られた被害者もいる。ここらで、奴らをつぶしておきたい。」
「止めましょう!被害を、僕らで止めましょう!」
「うはははは!わしも協力するで!」
「それを聞いて安心したぜ。俺が見込んだ男だけあるな、凛?」
グラスにカフェオレを注ぎながらニヤリと笑う瑞希お兄ちゃん。
そのお顔があまりにもダークで素敵で、
「と、当然ですよ!ちーちゃんも、早く気づくといいですね。」
「いや、気づいてほしかったのはそこじゃない。」
「え?」
「どういうことやねん?」
「幡随院に見つけてほしかったのは、『招待状』の存在だ。」
「招待状?」
その言葉でなぜかドキッとする。
「なんでっか、それ~!?」
瑞希お兄ちゃんの言葉に、サングラスを治しながらヤマトが聞く。
「表向きは、行きつけの店のダイレクトメールをよそおってるが、中身が違う。」
行きつけの店・・・
それで心臓がどんどん早くなる。
頭の中で引っ掛かるなにかと、一致しそうでしないような・・・
「内容は当選通知だ。」
「当選、通知・・・・ですか?」
やっと出た声に、目くばせしながら瑞希お兄ちゃんは答える。
「時々あるだろう?会員ナンバーからランダムに選んで、海外旅行が当たりましたっていうやつが?」
「そういえばあるわ!なぁ、凛~!?」
「ど、どんな内容なんですか!?」
「『いつもご利用ありがとうございます。この度、お客様が豪華クルージングパーティーペア券に当選いたしましたので、チケットを同封の元にお送りします。』・・・っていう、うたい文句でターゲットをおびき出す。」
「おびき出してどうするんです・・・?」
「捕まえんだよ。」
そう言うと、カフェオレが入ったグラスの1つにストローを入れる瑞希お兄ちゃん。