彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
(・・・・・・・・・・・・・ビンゴ。)
―いつもご利用ありがとうございます。この度、お客様が豪華クルージングパーティーペア券に当選いたしましたので、チケットを同封の元にお送りします。―
(瑞希お兄ちゃんが言ったことと同じ文面っ!!)
それで確信する。
(『ラクシュアラー』からの罠だ!!)
いいえ、違う。
(正確には、謎のスポンサーと手を組んだ敵からの招待状・・・・!!)
少なくとも敵は、私がフェリチータに出入りして、泊まったりしてることを知っているんだ!
(まさか、菅原凛のことも知ってる!?)
そう思ったけど、すぐに冷静さを取り戻す。
(いいえ、もしそうなら、菅原凛の家に手紙が届いてるはず・・・!)
むしろその方が、脅し甲斐が・・・・確実に参加させられる方法として使うはずだもん!
さっきお母さんは何も言わなかった。
手紙か何か届いていれば、帰宅した時に渡してくれる。
教えてくれるはずだもの・・・!
(・・・・どうしよう・・・)
招待状には、3日後にクルーザーでパーティーをすると記されていた。
内容も内容だけど、指定場所を見てギョッとする。
(瑞希お兄ちゃんとの旅行先!?)
電車で行けない距離じゃないけど。
(ただの偶然とは思えない!!)
“この辺りは、軒猿の子孫の一部が住んでいるというからな。”
“お前がやられるところを見る証人は多い方が良い、凛道蓮。”
“これで金は俺のもんだっ!!”
“人の手柄、横取りしてんじゃねぇーぞ?”
“軒猿。―――――――――――とでも、呼んでもらおうか!?”
関係するキーワードが、グルグルと頭の中を回る。
―『ラクシュアラー』に金を出してやってる奴がいるのかもしれない―
怪しいにおいがプンプンする。
(とりあえず、確実に忍者は関わってそうですよ、瑞希お兄ちゃん・・・・!?)
そう思った時だった。