彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
コンコン!
部屋の戸を叩かれる。
「凛、起きてるでしょう?」
「お母さん!?」
「入るわよ。」
「ま、待って!」
慌てて引き出しを開け、机の上に広げていたものを全部ぶち込んでしめる。
「どうしたの?あら、音楽聞いてるの?」
「リ、リラックスのためだよ~どうぞ、どうぞ~」
私の声に合わせ、首をかしげながら部屋に入ってくる母。
不本意だったけど、部屋中に響き渡るメロディーを止めながら聞いた。
「どうしたの?何か用?」
「実は、凛に言い忘れたことがあったのよ。」
「え!?」
(まさか!?菅原凛あてにも手紙があった!?)
お母さんの言葉で、一気に血の気が引いたけど―――――
「お父さんの実家から電話があって、今年は里帰りするのかって。」
「な・・・・!?」
(なんだそんなことか・・・)
ん?いやいや!そんなことじゃないよ!
(凛道蓮として修羅場が迫ってる時に、のん気に帰省なんかできないよ!)
みんなだって困るし!
〔★すでに凛は困っている★〕
「な、なんて返事したの?」
「凛には夏期講習の準備で、勉強があるから断ったんだけど・・・お母さん、お父さんと行くことになったのよ。さすがに、お父さんだけだと、お母さんがあとでなに言われるか・・・!」
「そ、そっか、大変だね。」
「そういうわけだから、凛にはお留守番していてほしいの。高校生だし、1人でも大丈夫よね?」
「も、もちろんだよ!」
ラッキー♪
これなら、瑞希お兄ちゃんのところに泊まれる!!
〔★凛のテンションが上がった★〕