彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「いつから行くの?」
「それが、3日後なのよねぇ~急で困るわ~」
「3日後!?」
それで何とも言えない気持ちになる。
(3日後・・・招待状のパーティーの日じゃない・・・)
見えない『つながり』を感じる。
「凛。1人が嫌なら、お母さん残るよ?」
「ううん、1人で大丈夫だよ。」
(本当は、お母さんが嫌なくせに。)
「お母さんが行かないで嫌な思いするのは、私が嫌だもん。行ってきて、お母さん。」
「そ、そう?凛は優しいのね・・・」
苦笑いするけど、その目はがっかりしていた。
嫁姑、息子のお嫁さんとそのお母さんの中が上手くいかないというのは、我が家にも当てはまるらしい。
〔★子供(孫)はいい迷惑である★〕
「それじゃあ・・・お留守番、お願いね。」
「いいよ。」
ニッコリと答えれば、母は少し不機嫌そうに部屋から出て行った。
(・・・・・・・・チャンスは出来た。)
これはきっと、運命なんだ。
(神様が私に、パーティーに行けと言っているのだろう。)
いつもの私なら、それにものるんだけど・・・
(右腕がね・・・・)
左手で持ち上げてみるが、相変わらず、反応はない。
(片腕と両足で戦える相手かしら・・・)
トンファーを使えないとはいえ、組手ぐらいなら・・・・
そんな思いで、招待状を引き出しから取り出す。
(『最高の夜景と料理をご用意しておりますので、ペアでご参加ください』か・・・)
瑞希お兄ちゃんは誘えない。
彼意外だって誘えない。
カンナさん、円城寺君、可児君、ちーちゃん、秀君、悠斗君、そしてヤマト・・・・
みんなに怪我はさせたくない。
(私みたいな思いはさせちゃいけない・・・・!)
そう決めると、招待状を引き出しにしまう。
私の覚悟は決まった。