彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)



荷物を部屋に置き、着替えてからビーチへと向かった。





「わぁ~きれいな海ですね~」

「わはははは!まずは腹ごしらえだぜ!」

「準備運動と水分補給だ、馬鹿者。いくら馬鹿なお前でも、熱中症でどうにかなるぞ。」

「この分なら、夜の花火も楽しめそうだわ~」

「ついでに肝試しでもするか?」

「凛、こっちこい!はぐれるなよ。」

「あ、はい・・・・!」





私を気遣う言葉に合わせ、手が伸びてくる。

瑞希お兄ちゃんのキレイな手。

仕事でボロボロになっている働き者の手。

その手が私の手をつかむ。




ギュッ♪




にぎってくれた。





「あーん、みーちゃんばっかりずるい!」

「あまり目立つなよ、お前ら。」

「無理じゃねぇ?可愛いコンビだから?」

「わははははは!」

「誰が可愛いだ烈司この野郎!皇助も笑うな!」





(可愛いコンビ・・・・か。)





男の子同士でそれはアウトかもしれないけど、コンビと呼ばれるのは悪くない・・・・かも。





(コンビもいいけど、恋人同士も・・・・)






チラッと目だけで相手を見る。

私の好きな人は、幼馴染相手に怒っている。

からかわれているだけなのに、本気でお説教しているところも愛しい。

細マッチョでしなやかな身体は美しい。

風になびくサラサラの髪と、桜色の唇。

誰もが、瑞希お兄ちゃんを見て振り返る。






「ねぇ、あの人、可愛くない?」

「イケメンだよね~」

(ですよねぇ~!!)





まばゆい太陽の光の中、瑞希姿の瑞希お兄ちゃんがまぶしい・・・!





「りーん、どうした?目ぇ細めて?」

「あ、いえ・・・まぶしくて・・・!」

「じゃあ、ゴーグルやめて、サングラスにしろよ。ほら、貸してやるから。泳ぐまで、こっちにしとけ。」

「あ・・・すみません。」





海に来るということで、今回ばかりはシルキロールはやめた。

さすがに、口元にマスクは怪しい。

元々、顔の半分が隠れていれば、私だと判明しなければいいだけの話。

だから、目元を隠すためのゴーグルも用意してきた。

持っていたけど・・・瑞希お兄ちゃんにすすめられ、サングラスに切り替える。





(だって、瑞希お兄ちゃんが身につけていたものだもの♪)




〔★動機は不純だ★〕




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