彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





サーフボードの上に2人で乗って海面をただよう。





「大丈夫か、凛?」

「ゴホゴホ!へ、へーきです・・・!」





ヤマトの策を受け、成り行きでサーファースーツを着てきた私。

ヤマト監修(かんしゅう)の元、胸もしっかり抑え込み、良い感じの胸板にした。

もし、誤算があるとすれば―――――――





「その咳だと、絶対器官に入ってるぞ!ほら、無理するな。」

「は、はい・・・・」





(上手にサーフィンできないことなのよね・・・)





見るとやるとじゃ全然違っていた。

手取り足取り、瑞希お兄ちゃんがボディータッチしてくれたのはいいけど・・・





「乗れるまで、時間かかりそうだな~」

「バイクよりもですか?」

「相手は自然だからなぁ~」





ボードを浮き輪代わりにして、2人ならんでプカプカ浮きながら話す。





「でも、その自然相手に、他の皆さんは強いですね・・・・」


「イエ~イ!」

「ホーホホホホ!」

「フン・・・!」

「わーはっはっはっはっ!!」


「「「きゃあ~素敵~!!」」」





やまびこみたいに、こだましてくる声。

やり慣れているらしい他の先輩方は、お姉さん達の黄色い悲鳴と熱い視線の中、ボードを乗りこなしていた。





「まぁ、あいつら運動神経が良いからな・・・」

「みたいですね・・・」





私はそんな4人を、瑞希お兄ちゃんと2人で遠くから観察していた。





「つーか、凛はどうして、サーフィンしようと思ったんだ?」

「え!?えーと~」



さすがに、『胸を隠すためだけに着てます』とは言えず・・・





「カッコいいイメージでやってみたくて・・・」

「ぷっ!カッコつけが。」





ニヤリと笑われ、ぐしゃぐしゃと髪を撫でまわされる。





「凛は凛らしいままでいいんだぞ~?まだまだガキだな~中二病?」

「どうせ僕は、瑞希お兄ちゃんよりはガキですよぉー」

「ははは!すねるな、すねるな!ちょっと上がって休憩するか?」

「そうですね~のどがカラカラです。」

「おーい、お前ら!俺ら水分補給しにいくけど、どーする!?」





口元に手を当てて他の4人に呼びかければ、返事が返ってきた。



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