彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「というか!ミサイルって言いませんでしたか!?」

「正確には、ミニロケットミサイルでございます、凛道様。」

「殺す気ですか、あなた!?賞金ほしくないんですか!?ねぇ、杉田さん?」

「そうですよ、死亡=刑務所ですから。ねぇ、凛道様?」

「だからなれ合うなよ!!」

「失礼いたしました、庄倉様。改めまして・・・どうやって持ち込まれたのです?」

「チッ!・・・・分解して持って入って、中で組み立てただけだ!」

「え!?すごいですね~組み立てられるんですか!?人間、1つぐらいはすごいところがあるんですねー」

「このガキ!」

「いたたたたた!なんで、グリグリしながら踏むんですか!?」



褒めたのにこの仕打ち!



〔★それは褒め言葉ではない★〕




「凛道様が無自覚で皮肉をおっしゃったからですよ?」





苦情を言えば、落ち着いた声で杉田さんは言う。





「武器の持ち込みは許可されていますが、こういう殺傷能力のある物は無効です。」

「ケッ!そうかよ!」

「よって、失格です。」

「かまわねぇぜ。なぁ、ボス?」




(ボス?)



「・・・・そうだな。」







庄倉の声に続く、くぐもった声。





「私に参ったといえば良いだけだからな。」






そう言って現れたのは――――――





「ジェイソン!?」



(今日、13日の金曜日じゃないよね!?)




ホラー映画で、チェーンを持って襲ってくるキャラのお面をかぶった男がいた。

本物ではないと思ったので聞いた。





「だ、誰ですか!?」

「J様です。」

「だから誰、杉田さん!?」

「個人情報だから言えません。」

「そうだ。言えるとすれば、六月生まれだ・・・」

「え!?『J』って、『JASON(ジェイソン)』じゃなくてそっちのJ!?『JUNE(ジューン)』の方の『J』なの!?」



〔★ジェイソンではないらしい★〕



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