彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「もう一度聞く。お前達、文句があるか?」

「ひい!ありません!」

「私も!」

「お、俺も・・・!」

「命が惜しい奴は、黙ってみてろ。」





吐き捨てるように言うと、お面の顔を私に向けるJ。

庄倉が踏んでいる私の腕に、銃口を押し付けるJ。





「わかるな、凛道蓮?」





その声に合わせて、庄倉が足を退ける。

痛みは減ったけど、ピンチに変わりない。





「どうするか、わかるな?」

「おじさんに降参しろってことですか・・・?」

「J様と呼べ!無礼者が!」

「やめろ、庄倉。」

「ですが!」

「俺に逆らうのか?」

「い、いいえ・・・・申し訳ございません・・・!」

(うそ、大人しくなった・・・!?)





庄倉のひどい話はカンナさん経由で聞いていた。

後日に聞いたことだけど、その話の中の庄倉と今の庄倉は一致しない。





「庄倉、お前の怒る気持ちはわかる。お前をてこずらせた小僧だろう?用がすめば、くれてやる。好きにしろ。」

「なんですって?」


用が済めば・・・?


「本当ですか!?ありがとうございます!」

「好きに拷問して、切り刻んでも構わん・・・役に立たないようならな・・・!」

「さすがJ様!お仕えしてきたかいがあります。」





なんなの、このJという男。




(あの庄倉が、飼い犬のようにこびへつらっている。)



「お前は何者だ、J・・・・!?」


バキ!!

「あう!?」




「俺のことは『J様』と呼べ、小僧・・・!」

「っ・・・!?」





銃口で顔を殴られる。

鼻から何か流れる感覚とにおいで、血が出ているのだと知る。






「はははは!鼻血流して、無様だぜ!」

「さあ、言うんだ、凛道蓮。『J様に降参します』、と。」






そう言うと、額に銃口を突きつけるJ。






「頭を撃ち抜くと、さすがの僕も死にますけど?」

「脳死は、死亡とみなさない人もいる。」

「貴様っ!?」






倫理的な言いわけをする相手に困る。





(冗談じゃない!絶対に死んでも降参したくない!)





降参なんてしないけど―――――





「僕を降参させることが、主催者にとってどのような良いことがあるんですか?審判の杉田さん?」






気になっていたことを聞く。



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