彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「もっと怖がってもいいんだぞ?俺が撃たないと思ってるのか?生き残れる運命だとでも?」
「僕に自分の運命はわからない。だけど、運命は決まっているようで、違う。」
「何が違う。」
「導くものであり、僕らに選択を迫る。選ばせるんだ。」
「ほお。」
「他人が決めるのも運命なら、自分で決めるのも運命。楽をしたいなら、他人に任せればいい。だけど――――――――――」
“凛!”
「自分が幸せになりたいなら、美しい魂で生きたいなら、おのれの意志で決断する。それが運命だ。」
男の子の振りをしてるのも、龍星軍の総長をしてるのも、私が決めたこと。
「俺の運命は俺で決める。真田瑞希さんに手出しはさせない。」
「どうやって、防ぐというんだ?」
くっくっと笑うJと庄倉。
「今、海上で、俺に、ライフルを突きつけられ、自分の命が危ないのに、他人の心配か?」
「運命は気紛れでもあるんですよ?」
「はははは!それはいい!せいぜい、良い運命に導いてもらえ。坊や、キーワードを言え。」
キーワード・・・
私に降参しろと、迫る仮面の男。
そんな私を見守る周囲は、スマホを私に向けていた。
「せめて画像だけでも・・・・!」
「上手く撮れてれば、最低でも10万だもんね?」
「もらえるものはもらわないと!」
救いようのない金の亡者。
そんな奴らへの怒りと意地を込めて、瑞希お兄ちゃんが好きだと言った漢を見せる。
「運命は自分で決める!不確かなものであっても、惑わすような試練を与えるものであっても、最後に決めるのは自分だ!俺は待つ側にはならない!!」
時には待つことも必要だけど、今じゃない。
見られている以上、龍星軍4代目総長・凛道蓮を演じ切る。
それが私の決断。
「俺はお前らに屈しない!龍星軍四代目総長・凛道蓮だからだ!!」
グッと、私の方からJに近づく。
熱を持った銃口が髪に触れる。
その部分だけ熱くなっていったが、一歩も引かない。
メンチを切りながら、Jに宣言する。
「お前の思い通りになると思うなよ、J!?」
「ガキが・・・!」
それで、目しか見えないJがうなる。