彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「の・・・軒猿だとっ!!?」
驚いたのは、その2人だけじゃない。
「軒猿って、あの有名な賞金稼ぎ!?」
「『現代のラスト忍者』って言われてるハンターか!?」
「俺達じゃ足元にも及ばない、捕縛の天才・・・!」
「拷問、諜報、盗みも軽くこなすスペシャリストじゃんか!?」
「そんなに有名なんですか!?」
〔★知名度の高い敵だった★〕
突然登場・・・私的には再登場だけど。
現れた忍者の手裏剣で手を痛めたJがうろたえる。
「な・・・なぜおまえがここにいる、軒猿!?」
「興奮すんなよ、J様。発情期か?」
フンと鼻を鳴らすと、両腕を組みながら言った。
「44,444,444円も賞金が出来るガキを、この軒猿様が放置するわけねぇだろうー?」
「それは知ってる!な、何故審判に!?」
「はあ?変装したに決まってるだろう~?」
そう告げると、さっきまでつけていたイヤホンを、顔の前でゆらしながら笑う。
「『殺しは禁止』だけど、『スタッフに化けるのは禁止』って、契約書に書いてなかったじゃんか?」
「そ、それはそうだが!」
「くそが!軒猿だか何だか知らないが、俺がブッ飛ばしてやる!」
「よせ!庄倉!!」
Jの制止を振り切り、軒猿に飛びかかる庄倉。
「うおおお!」
「へっ!ちょうどいい・・・凛道蓮君のマネしてやるよ。」
「え?」
(私のマネ??)
そう言うと、パンと両手を合わせる忍者。
「軒猿流忍法――――――――――――――」
「へ?」
「うおおお!」
聞えた呪文と、庄倉の雄たけびが重なる。
「業火爆炎撃(ごうかばくえんげき)――――――――!!」
そう言いながら、合わさっていた両手が印を結ぶ。
途端に悲鳴が上がる。
「ぎゃあああああ!!火がぁあああ!?」
庄倉の下半身が燃えあがる。
「えええ!?」
(どうやったの!?)
ビックリしたのと、本物かと疑ったけど・・・・
「熱い~燃える~!!」
「はははは!早く消さんと、下が使いものにならなくなるぞ!?」
もだえ苦しむ庄倉と、高笑いする軒猿の姿で本当の日だと思う。
同時に、床をゴロゴロと転がる庄倉で我に返る。
気づけば私は叫んでいた。