彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「なんてことするんですか!?」

(早く消さないと!)




考えるより先に体が動く。

近くに消火器が転がっていたので手を伸ばす。

急いでスイッチを押して噴射した。





ブシュウウウ!!

「ひーひーひぃいいい・・・・!!」

「よし!これでもう大丈夫・・・・!?」




ゴオオオオオォォォ!





「えー!?まだ燃えてる!?」



〔★沈下しなかった★〕



「なんてことするんだ、凛道蓮?普通助けるのか?」

「普通そうでしょう!?なにあの炎!?普通じゃないでしょう!?」

「秘伝だから、ひ~み~つ~♪だけど・・・仕方ない。凛道蓮がそういう態度なら、消してやるよ。」





そう言うなり、目にもとまらぬ素早さで庄倉に接近する。

呼びかける。





「おい!」

「う、うわああああ!?」

「動くなよ。」





胸倉掴んで持ち上げると、軒猿は叫ぶ。






「業火滅却!!」

ドドドドドドドド!





「ぐええええ!?」

「なっ!?お腹を連打した!?」



(そんなんで火が消えるわけ―――――――――――!!)



ないはずなんだけど。





プシュ~・・・・・!

「え!?」





大きかった火が小さくなる。





「うそ!?」





消火器でも消せなかった火が、消えていく。





「あ、あ、あ、あ・・・・」






これに焦点の合わない眼で、庄倉がうめく。





ジョー・・・・ボタボタボタ・・・・


(あ・・・・・)



「もらしたぞ・・・」






誰かがそうつぶやいた時、火は完全に消えていた。





「いや~火を消すのは、水が一番!くっせーけど?」

「ああああぁぁぁ・・・・」





そう言って軒猿が手を離せば、その場に座り込んでしまう庄倉。

私が知る限り、公衆の面前での二度目の失禁。





「凛道蓮君と違って、簡単にはションベン漏らしてくれないねぇー?」

「君は・・・・!なんてひどいことを・・・!?」



〔★残念ながら、凛もひどいにカウントされる★〕



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