彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「も・・・百鬼さん・・・?」
「わはははは!凛助~自由行動が過ぎたようぜ~!?勝手しやがってよぉ~しっかり捕まってろ!」
そう言うと、利き手を大きく振り上げ――――――――
「ヌオオオォォォ!!!」
振り下ろした。
ボーン!!
「ひぃいい!て、天井に穴を開けた!!?」
「オラ!オラ!!オラ!!オラ!!オラ!!!」
ボンボンボンボンボンボボーン!!
「も、もきさ・・・!?」
私達の足元を、こぶしで叩く。
貫通させて穴を開けていく百鬼さん。
「ドオラァァァァ!!」
百鬼さんの身体からビキッという音がした。
彼の一撃が鉄の板に入った時。
ズゴオオオオオォォォ―ン!!
「きゃ、わあああああああ!?」
「わーはっはっはっはっ!!」
床、いや、天井が抜け落ちた。
ドドドドドーン!!
「わー!?」
「きゃあー!?」
「ひー今度はなに!?」
「俺様だ・・・・!!!」
そう言って、私をお姫様抱っこして、仁王立ちする姿。
「う・・・・わああああああああ!!?元龍星軍初代特攻隊長で『野獣』の百鬼皇助だァァァ!!」
「わっはははははははははは!!」
(おそろしかろう・・・)
逃げまどう人々を見て、助かったというよりも、同情の方が強くなる。
〔★百鬼大魔王降臨だ★〕
「けっ!?残ってるのは女ばっかりかよ!?」
「「「ひぃいい!?」」」
「も・・・百鬼さん、どうしてここに・・・?」
「あん!?お供を連れてきてただろーが!?」
「お供・・・・?」
「りーん!!無事かいなぁ!?」
バタバタという足元が耳に届く。
声のする方を見れば・・・・
「ヤマト・・・・」
「あかん!ボロボロやん!生きててよかったけど、あかんよ自分!?」
はーはーと肩で息をしながら駆け寄ってくるヤマト。
「生きとるかい!?って、出血してるやんけー!?」
1人ボケツッコミをすると、ハンドタオルで私の頭から流れる血を押さえてくれているヤマト。
「可愛い顔に傷が残ったらどないすんねん!?動けるかい!?」
「ちょっと・・・・無理かも・・・」
「ドアホ!!例の招待状が届いとるなら、そう言わんかい!百鬼はんらも意地が悪いで!!」
「え?」
(招待状って――――――――・・・!?)
「ヤマト、もしかして知って――――――――!?」
「凛っっっ!!」
私の質問に、私を呼ぶ声が重なる。