彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「てっきり、可愛い姉弟かと~!じゃ、じゃあ、よかったら、来てねぇ~」
そう言って私にチラシを渡すと、そそくさと去って行くセクシーなお姉さん。
私は瑞希お兄ちゃんと2人、微妙な空気で残される。
「・・・お、お兄ちゃん・・・」
「はははは・・・・俺、気にしてないから。」
「いえ、まだ何も聞いてませんが?」
「気にしてないって言ってるだろう!?」
「ご、ごめんなさーい!とはいえ、割引券ですよ!?せっかくだから~」
「うわぁ~ダイナマイト美人じゃん?」
「Cカップかぁー!?わはははははは!!」
「ぎゃあああー!?」
突然、両肩に何かが乗り、大きな声が耳に響く。
ビクッとしながら前進して、振り返ってみれば、やっぱりあの2人だった。
「烈司さん!百鬼さん!」
「モニカちゃんもいるわよー♪」
「うひゃ!?」
落ち着く間もなく、背後から抱きしめられ、思わず叫んでしまう。
「もぉ~みーちゃんてば、ダメよぉー?」
がっちりと私を抱きしめたまま、モニカちゃんが眉をハの字にしながら言う。
「いくら間違えられたからって、凛ちゃんに八つ当たりしないの♪うらやましいぞぉ♪」
「じゃあ、かわってみろやこの野郎!・・・早かったな?」
「そりゃあ~凛たんと遊びたいのは瑞希だけじゃないからな?」
「そうよぉ~今度はモニカちゃんが可愛がる番♪チュ♪」
「わっ!?」
「あ!?コラモニカ!こんなところで凛にセクハラすんな!」
「なによ~世間じゃオネェは公認的存在よぉ~」
「凛はノーマルな男だ!離せっての!」
「やーよ!みーちゃんばっかり、ず・る・い~」
「おいおい、お前ら。いい加減に~」
「何を騒いでる、小動物共。」
その声に合わせて、私の体がモニカちゃんか引き離される。
「チューチュー騒ぐんじゃない、お可愛らしい小動物2匹ととオネェさんよ。」
「獅子島さん!」
救いの手(?)を差し伸べてくれたのは、最後にやってきたラスボ・・・・初代メンバーの先輩。
「オネェはともかく、落ち着け小動物。」
「誰が小動物だ!?」
落ち着いて口調で言うと、怒る瑞希お兄ちゃんを見ることなく、私を見る獅子島さん。
私というよりも・・・・
(あ、違う。私じゃない。)
私が手にしたチラシを見ながら眼鏡の先輩は言った。