彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「瑞希お兄ちゃん・・・?」
「凛、無事か!?」
私の大好きな可愛いお顔をゆがめ、一目散に私へと駆け寄ってくる愛しいお方。
「凛!!無事でよかった!!」
「お・・・お兄ちゃん!!」
ガバッと抱きしめられ、動く左腕でしっかりと抱き付く。
「って!?おのれはちっとも動けへんかったんちゃうんかーい!?」
「僕は『ちょっと』という単語しか言ってないです。」
〔★凛は関西男子のツッコミをうまくかわした★〕
「凛ちゃん、大丈夫なの!?」
「凛たん!」
「凛道!!」
そこへ、瑞希お兄ちゃんが来た方から、モニカちゃんと烈司さんと獅子島さんんもやってくる。
「みなさん、なんで・・・?」
「話は後だ、凛!」
「そうだぜ、凛助~!?瑞希、凛助を持ってろ!!」
そういうなり、グイッと私を瑞希お兄ちゃんに押し付ける百鬼。
「皇助!?」
「ただでさえ、殴りがいのある『野郎』が残ってないからなぁ~!?わははははは!!」
「スタッフが残ってるだろう・・・!」
「じゃあ、あたしは『同性』の女の子担当♪」
「こういう時、モニカはラッキーだよな~?」
ポキポキと、4種類のこぶしの音が響く。
目がかすんでよく見えなかったけど、敵の反応からして怒っているのがよくわかった。
「「「「覚悟はいいな?」」」」
「ひぃ~!あ、あの!」
「我々は雇われただけで~」
「お、お兄さん、女の子を殴っていいの!?」
「お、俺に手を出していいのか!?」
「「「「いいんだよっ!!」」」」
「「「「「「「「「「あぎゃああああああああああああああああ!!」」」」」」」」」」
ボキ!バキ!!メキメキ!バシバシ!!ゴキゴキゴキ!!
人の体が破壊される音と、悲鳴が船内に響く。
「やるじゃん、あいつら。口で言う割には、手加減できてるじゃんか?」
「うはははは!男も女も容赦ないのぉ~♪」
「あ、あの瑞希お兄ちゃん・・・・女の人殴ってるけど・・・」
「モニカだけだろう?あいつは女だからいいんだ。」
「そーなんですか・・・?」
良いのか悪いのか、私じゃ判断できないけど。
瑞希お兄ちゃんがそう言うなら、それが正解だと思うけど。
この光景は、どう見ても―――――――――――
(半殺しというやつなのかしら・・・・)
そう思わずにはいられない怖い光景に固ましかなかった。
〔★別名、凛の仇討ちとも言う★〕