彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





ほんの数分で、百鬼さん達の喧嘩(?)は終わった。





「たく!喧嘩よりも、縛り上げる方に手間がかかるぜっ!!」

「文句言うな、皇助!一番多く、敵を割り振ってやっただろう?」

「あたしはやりたい放題で、すっきりしたわ~♪」

「お前の場合は、婦女暴行になるかどうかの境目で、ジャッジが難しいからな・・・・・」





船内すべての人間を、ズタボロになったパーティー会場に集める。

船を停止させ、船員から船長までも締め上げる。

たった一部をのぞいては。





「あかーん!やっぱ、おらへんわ~」





船内を捜索して帰ってきたヤマトが言う。





「おさるちゃん、おらへんわ~」

「軒猿だ、馬鹿者。」

「凛ちゃんの話だと、一緒に爆破に巻き込まれたみたいだけど・・・・」

「逆だ、モニカ。凛たんはかばってる。」

「わはははは!じゃあ、まだどっかにかくれてやがるな!?俺様が捜索ついでに、ぶっ飛ば――――!」

「俺が探してくる。」

「瑞希お兄ちゃん!?」





私をお姫様抱っこして下さっていた愛しいお方が言う。





「俺が行く・・・烈司、凛をー」

「やめとけ、瑞希。俺の感じゃ、今回は探さねぇ方が良い。」

「けど!」

「れーちゃんの感は信じるけど、凛ちゃんの解毒剤を持ってるのはあいつでしょう?」

「そうだぞ!だから俺が、ぶっ飛ばして力づくで出させるんだよ!!」

「お、お兄ちゃん。どうしたんです?」





過激な発言は、怒るとお目にかかれるけど・・・・・・・





(いつもはこんな乱暴じゃないのに・・・?)





私の問いに、ギロリと目を鋭くしながらうるわしい方は叫ぶ。





「凛だって、いつまでも片腕が不自由なままじゃイヤだろう!?」

「そ、そうですが・・・ここは、科学の力では証明できないことを証明できる烈司さんの意見をー」

「ムカつかないのかよ!?」

「え?」

「毒盛られた上に、爆破で吹っ飛ばされて、海の藻屑になりかけたんだぞ!?」

「そ、そりゃあ、困りましたけど~」





―凛、あーんしろ―




そのおかげで、良い思いもできたわけだし・・・





「ああん!?なに、ニヤニヤしてやがる!?別のこと考えてるだろう!?」

「は!?い、いいえ、違います!」



〔★その通りだ★〕



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