彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「おい、Jとやらが雇い主であるのを知ってるのはお前らだけか?」
「は、はい・・・!以前の狩りの時も、ハンターに化けて参加されて、現場で楽しみ――――」
「後日、その時の記録された映像を、まるで映画を見るようにして見て、楽しんでいらっしゃる趣味の方です・・・」
「Jの本名は?」
「わ、わかりません!」
「ウソは許さんぞ。貴様ら、皇助を捕縛禁止にしてるぐらいだから、我々がどういう人間かわかっているな?」
「それは~もちろん!」
「で、ですから、本当に知らないんです!」
「実際はどこのだれかわからないし、本当の本当に知らないんです!」
「龍星軍に誓ってか?」
「「「「「「「「「誓います!本当にそれ以上は知らないので、勘弁してください~!」」」」」」」」」
「・・・!」
嘘じゃない。
泣きながら、必死で土下座しまくる大人を見て思う。
「この人達、嘘は言ってないと思います。」
「凛。」
自然と口をついて出た言葉。
「凛、『奴』に似てたか?」
そんな私に瑞希お兄ちゃんが聞きいてきた。
誰のことか、話の流れで察しはついたので答えた。
「いいえ、別人です。体系も、しゃべり方も、動きも・・・・田渕ではなかったです。」
「本当か?野郎、ホラー映画が好きで、ジェイソンが好きだってぬかしてやがったんだぜ?」
「いえ、JのJは、6月を英語で言ったJUNEの頭文字からとったそうです。」
「そっちのJ!?」
「むしろ、何で瑞希お兄ちゃんが、ストーカーの趣味をご存じなんです。」
「好きで知ってるわけじゃねぇ!向こうが店に来て、自主的にしゃべってきたんだよっ!!」
「それは大変でしたね。」
「まったく!縁が切れて良かったぜ!」
「とはいえ・・・野郎を知ってて、見てるのは凛たんだけだ。」
プンプン怒る瑞希お兄ちゃんの隣で、タバコをくわえながら烈司さんが言う。