彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「『越後の龍』の呼び込みか。」
「えちごのりゅう?」
「凛道、上杉謙信(うえすぎけんしん)は知っているな?」
「え?戦国時代の武将ですよね?」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
上杉謙信(うえすぎけんしん):織田信長が生きた戦国時代最強武将で「越後の龍」・「毘沙門天(びしゃもんてん)の化身」などの異名を持ち、義理人情に熱い武将として、たくさんのカッコいいお話を残した大名のことだよん☆彡
「そう、その謙信の配下の忍びが【軒猿(のきざる)】というのは知っているか?」
「いいえ、初耳で・・・あれ?」
でもどこかで、聞いたことが・・・呼んだことがあるような―――――――!?
「あ!?これだ!」
手にしたチラシを再度見ながら叫ぶ。
「ここに、『軒猿』って文字が入ってます!このチラシのお店・・・『越後の龍 軒猿店』とありますよ!?」
「そういうことだ。今、戦国ブームなのだろう?それで町おこしをしているらしい。その一つに、『越後の龍』という企業があってな。今の娘はそこの従業員だろう。ほら、あのように。」
「こんにちは~ニューオープンした軒猿店です~」
「ただいま、男女2名様を対象にサービス中です~」
「男性のお客様は本日、ドリンク無料サービスですよぉ~うふ♪」
その言葉通り、周りを言われて見渡せば、くノ一コスプレのお姉さん達が客引きをしていた。
それも男性中心で。
「あ・・・いつの間に。」
「商魂たくましいことだ。」
そんなのお姉さん達を冷めた目で見る獅子島さん。
「客寄せのためなら、ゆるキャラでも何でも使うか。忍者の方が外国人ウケがいい。使い方としては間違ってない。」
「そうですが・・・僕はちょっと・・・」
「あれ、凛は忍者嫌いなのか?」
「そうじゃないです!『西田くるみ』が活躍する『あっぱれ姫将軍シリーズ』好きですもん!ただ・・・・甲賀や伊賀なら知名度もありますが、の・・・のん・・・えーと・・・!」
「軒猿だ、凛道。ならば、覚えておけ。戦国史上、もっとも優秀な忍び集団といえば軒猿だ。」
「え?なぜです??」
「忍びは、裏方の仕事で、敵に知られてはいけない組織。その実態が現代まで謎のままということは、相当なものだと思わんか?」
「なるほど!わからない=優秀な忍びですものね!」
「ふ・・・我ら黒子ファイブと同じようなものだ。」
(それは違う気がする・・・・)
〔★思いっきりバレバレだ★〕