彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)



「『越後の龍』の呼び込みか。」

「えちごのりゅう?」

「凛道、上杉謙信(うえすぎけんしん)は知っているな?」

「え?戦国時代の武将ですよね?」



〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
上杉謙信(うえすぎけんしん):織田信長が生きた戦国時代最強武将で「越後の龍」・「毘沙門天(びしゃもんてん)の化身」などの異名を持ち、義理人情に熱い武将として、たくさんのカッコいいお話を残した大名のことだよん☆彡





「そう、その謙信の配下の忍びが【軒猿(のきざる)】というのは知っているか?」

「いいえ、初耳で・・・あれ?」





でもどこかで、聞いたことが・・・呼んだことがあるような―――――――!?





「あ!?これだ!」





手にしたチラシを再度見ながら叫ぶ。





「ここに、『軒猿』って文字が入ってます!このチラシのお店・・・『越後の龍 軒猿店』とありますよ!?」

「そういうことだ。今、戦国ブームなのだろう?それで町おこしをしているらしい。その一つに、『越後の龍』という企業があってな。今の娘はそこの従業員だろう。ほら、あのように。」



「こんにちは~ニューオープンした軒猿店です~」

「ただいま、男女2名様を対象にサービス中です~」

「男性のお客様は本日、ドリンク無料サービスですよぉ~うふ♪」





その言葉通り、周りを言われて見渡せば、くノ一コスプレのお姉さん達が客引きをしていた。

それも男性中心で。






「あ・・・いつの間に。」

「商魂たくましいことだ。」




そんなのお姉さん達を冷めた目で見る獅子島さん。





「客寄せのためなら、ゆるキャラでも何でも使うか。忍者の方が外国人ウケがいい。使い方としては間違ってない。」

「そうですが・・・僕はちょっと・・・」

「あれ、凛は忍者嫌いなのか?」

「そうじゃないです!『西田くるみ』が活躍する『あっぱれ姫将軍シリーズ』好きですもん!ただ・・・・甲賀や伊賀なら知名度もありますが、の・・・のん・・・えーと・・・!」

「軒猿だ、凛道。ならば、覚えておけ。戦国史上、もっとも優秀な忍び集団といえば軒猿だ。」

「え?なぜです??」

「忍びは、裏方の仕事で、敵に知られてはいけない組織。その実態が現代まで謎のままということは、相当なものだと思わんか?」

「なるほど!わからない=優秀な忍びですものね!」

「ふ・・・我ら黒子ファイブと同じようなものだ。」



(それは違う気がする・・・・)



〔★思いっきりバレバレだ★〕



< 24 / 453 >

この作品をシェア

pagetop