彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「獅子島さん!!」
「伊織~!?」
「ちょっと場を落ち着かせようと思っただけだ。おそらく、水面で何か爆発したんだろう。」
「オメーの冗談はマジに聞こえない!」
「わはははは!スリルは味わえたぜ~!」
「とにかく、行ってみようぜ!」
「はい!」
「「「「賛成。」」」」
「うははは!」
瑞希お兄ちゃんの言葉で賛同する龍星軍と―――――――
「待ってくれー俺達はこのままか!?」
引き止める声を上げる敵の皆さん。
「もし故障だったら、私達どうなるの!?」
「スポンサーはこれ、見てたんだよね?」
「まさか口封じ!?」
「俺殺されるのか!?」
「死にたくない!」
「縄ほどいてくれ!」
「お兄ちゃん・・・・」
「この状態で縄ほどいたら、収集がつかなくなるから却下だ。」
「「「「賛成!」」」」
「うはははは!仲ええなぁ~」
背後で聞こえた訴えに、全員がスルーする。
〔★怖いチームプレーだった★〕
赤いじゅうたんの廊下を全員で走る。
6つの人影が船内を駆け抜ける。
7人なのに6つ。
その理由はね~♪
(きゃああ~非常時とはいえ、まだ・・・・瑞希お兄ちゃん、私を離してくれないのね・・・♪)
瑞希お兄ちゃんが、私を抱きかかえてくれてるからぁ♪
時々、抱きなおしながら、私をお姫様だっこで走り続ける愛しいお方。
だけど幸せは、いつも長くは続かない。
「見えた!出口だ!」
瑞希お兄ちゃんが叫ぶ。
それに合わせて全員の足が止まった時、体に強い風を感じる。
デッキの外へと出た私達は、すぐに周囲を見渡す。
「どこだ!?」
「暗くて、よくわかりませんね・・・・」
「ここだよーん♪」
ギュードルルルルルルル!!
私達の疑問に恋耐えるタイミングの良い声。
「今の声は~」
「あっちよ!」
「俺らのジェットスキーを止めてる場所からだ!」
瑞希お兄ちゃん、モニカちゃん、烈司さんの言葉が続き、全員でそちらへ向かう。
手すりから下を見れば、ヒモばしごが目に入る。
続けざま、ジェットスキーに乗っている人物も。