彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「獅子島さん!!」

「伊織~!?」

「ちょっと場を落ち着かせようと思っただけだ。おそらく、水面で何か爆発したんだろう。」

「オメーの冗談はマジに聞こえない!」

「わはははは!スリルは味わえたぜ~!」

「とにかく、行ってみようぜ!」

「はい!」

「「「「賛成。」」」」

「うははは!」





瑞希お兄ちゃんの言葉で賛同する龍星軍と―――――――





「待ってくれー俺達はこのままか!?」





引き止める声を上げる敵の皆さん。





「もし故障だったら、私達どうなるの!?」

「スポンサーはこれ、見てたんだよね?」

「まさか口封じ!?」

「俺殺されるのか!?」

「死にたくない!」

「縄ほどいてくれ!」

「お兄ちゃん・・・・」

「この状態で縄ほどいたら、収集がつかなくなるから却下だ。」

「「「「賛成!」」」」

「うはははは!仲ええなぁ~」



背後で聞こえた訴えに、全員がスルーする。



〔★怖いチームプレーだった★〕




赤いじゅうたんの廊下を全員で走る。

6つの人影が船内を駆け抜ける。

7人なのに6つ。

その理由はね~♪




(きゃああ~非常時とはいえ、まだ・・・・瑞希お兄ちゃん、私を離してくれないのね・・・♪)




瑞希お兄ちゃんが、私を抱きかかえてくれてるからぁ♪


時々、抱きなおしながら、私をお姫様だっこで走り続ける愛しいお方。

だけど幸せは、いつも長くは続かない。





「見えた!出口だ!」




瑞希お兄ちゃんが叫ぶ。

それに合わせて全員の足が止まった時、体に強い風を感じる。

デッキの外へと出た私達は、すぐに周囲を見渡す。





「どこだ!?」

「暗くて、よくわかりませんね・・・・」



「ここだよーん♪」

ギュードルルルルルルル!!






私達の疑問に恋耐えるタイミングの良い声。





「今の声は~」

「あっちよ!」

「俺らのジェットスキーを止めてる場所からだ!」





瑞希お兄ちゃん、モニカちゃん、烈司さんの言葉が続き、全員でそちらへ向かう。

手すりから下を見れば、ヒモばしごが目に入る。

続けざま、ジェットスキーに乗っている人物も。



< 241 / 453 >

この作品をシェア

pagetop