彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「軒猿!?」
「無事でよかったよ、凛道蓮君♪」
そう言った忍者は、もう忍び服じゃなかった。
ウェアスーツに身を包み、目元にゴーグルをつけていた。
「まさか、ミサイル撃ち込まれるとは思わなかったよねぇ~?」
「コラ!!何またがってんだよ!?」
「俺のジェットスキーだろう。」
「テメーそこでじっとしてろ!」
「あんたのせいで凛ちゃんはねぇ~!?」
「わははははは!仇討ちで、合法的にボコれる・・・!」
「現代日本じゃ仇討ちは合法じゃねぇよ!五十嵐、凛を頼む!」
「え!?ちょ・・・!?」
そう言って私をヤマトに渡そうとする瑞希お兄ちゃん。
(嘘でしょう!?密着タイム終わり!?)
ショックを受けるが、現実はそんなにもひどくなかった。
「動くな♪動くとー爆弾が爆発するよ~?」
「「「「「なっ!?」」」」」
「「爆弾!?」」
初代メンバーと、現役メンバーの私達がそれぞれ声をそろえる。
「ば・・・爆弾ってなんですか!?」
「この船を爆破できるだけの爆弾のことだよ、凛道蓮君。」
「出まかせいうんじゃねぇ!!そのフザけた口、聞けないようにしてやー!」
「ウソと思っていいのかな、真田瑞希さん?」
キレる瑞希お兄ちゃんに、クールな口調で軒猿は言う。
「俺は、審判に化けて、ハンターとしてこのパーティーに参加したんだよ?審判なら、怪しまれず、船内をグルグル回れるじゃないか?」
「うっ!?言われてみれば・・・」
「れーちゃん!?」
「・・・はったりを感じねぇが・・・よく視えないな・・・!」
「いや、可能性はあるな。我々もつい、敵どもと話し込んでしまった。それだけ、奴に時間を与えた。」
「わははははは・・・!生意気なことしてくれんじゃんかぁ~!?ケンカできねぇーのかよ・・・!?」
「あはははは!そうなるねー♪てか、この状況でそう言うところが、さすが初代特攻隊長。」
ギュルン!!
そう言うとジェットスキーハンドルを回す軒猿。
「悪いけど、俺を追いかけてこないでねぇ~?そこから飛び降りて、俺の乗ってるジェットスキーのケツに飛び乗ったりでもしたら~」
「船を爆破するっていうことですか・・・・!?」
「正解、凛道蓮君♪」
ニコッと口元を動かす狡猾な忍者。