彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「まずは、烈司が先に降りて安全を確保。ジェットバイクを運転できんラジオは烈司の後ろに、凛道はそのまま瑞希の後ろに。皇助はモニカの後ろだ。」
「えぇ!?なんであたしと皇助が!?」
「俺様も冗談じゃないぞ!?」
「早く逃げるためだ、馬鹿者。『自己申告』では、モニカが一番体重が軽いことになってるぞ・・・?」
「ちょっと、みーちゃん!?」
「うっ!?お、俺の方が重いもんねー!!」
(いや、どう見ても、モニカちゃんの方が重そうに見えるけど・・・・)
見栄を張った結果だった。
「しばるわよ、凛ちゃん!」
「お、お願いします。」
そんな話をしながら、私の体は、モニカちゃんが持ち込んだ荒縄で瑞希お兄ちゃんと1つになる。
「あん♪凛ちゃんにイケナイことしたみたぁ~い♪どう、気持ち良い?」
「そこは、縄が緩くないかどうか聞いてください。」
「ゆるくねぇから心配すんな、凛。モニカも、いちいち興奮すんな!」
「なによ~凛ちゃんをキャッチした時の皇助よりマシでしょう~?」
「あ!?そうでした!」
モニカちゃんの言葉で思い出す。
「百鬼さーん!」
「あん!?」
ヒモばしごを下りようとしていた野獣に言った。
「さっきは助けて頂き、ありがとうございました!」
「けっ!目に入ったから、拾っただけだっての!」
「あら、よく言うわねぇ~?凛ちゃんが見えた瞬間、真っ先に駆け寄ろうとしたみーちゃんを弾き飛ばしてまで、一番に助けに言ったくせにぃ~」
「え!?そうなんですか?」
「モニカっ!!!」
オネェさんの言葉で真っ赤になる百鬼。
それを見て私は思う。
(本当なら、瑞希お兄ちゃんが助けてくれる予定だったんだ・・・・!)
思わず、歯をかみしめしまうほどの悔しさ。
損した気分になる。
〔★感謝の念がない★〕