彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「そうなんですか・・・?」
「も、文句あるか凛助!?勘兵衛!?」
「ああ!?その名で呼ぶなっつってんだろう!?」
「わはははは!やんのかコラ!?」
「上等だよ!本当は凛ちゃんが心配だったツンデレ野獣が!!」
「あとにせんか、馬鹿共!!」
「あの!弾き飛ばされたと聞きましたが・・・大丈夫だったんですか、瑞希お兄ちゃん?」
「ああ、烈司がキャッチしてくれたからな。」
「肩、はずれるかと思ったぜ。」
そう言いながら腕を回す占い師に、衝撃のすごさを想像して気まずくなる。
(つまり、瑞希お兄ちゃんを危険にさらしたってのかよ!?)
素直に感謝できなーい!!
(とはいえ、助けてくれたのは変わりない・・・・)
「百鬼さん。」
「あんだよ!?」
「あ、その・・・・本当に、ありがとうございました。感謝・・・してます。」
ちょっと納得できないのもあったけど、しろもどしながらお礼を言う。
これに百鬼は―――――――
「ばーか。」
「え!?」
奴にしては小さい声、世間では普通の声。
そう言い残して、ヒモばしごをつたって降りていった。
「ば・・・・」
ばかって。
あまりにも子供っぽい言い方に、瑞希お兄ちゃんの背中でボー然とする。
初めて見せる特殊な態度。
「・・・なにがいけなかったのでしょう?」
「逆だ、凛。」
ひとり言のつもりだったけど、息がかかる距離の彼には聞こえていた。
思わず見れば、ニンマリとした顔で瑞希お兄ちゃんは言った。
「めちゃくちゃ嬉しかった決まってんだろう?」
「え!?」
う、嬉しかった?
(あの野獣が??)
「どうした、皇助ちゃ~ん♪顔真っ赤で、にやけてんぞー!?」
「ぶっ殺すぞ、ナンパやろうぉ!!!?」
視界から見えない人達の会話に、それが事実だと確信する。
そう思ったら、こっちまで顔が熱くなった。
「そんな顔するな、凛♪やけるぞ~」
「か、からかわないでください!」
「凛をおとりにしたとは言え・・・・俺らみんな、心配してたんだからな?」
「す、すみません・・・」
「片腕だから、てっきり、俺らに相談すると思ったのに・・・1人で突撃しやがって・・・」
「ご、ごめんなさい。」
「そう思うならするんじゃねぇーぞ?言っても無駄そうだけど~」
「そ、そんなぁ~」
「スキあり。」
「モゴ!?」
抗議しようと口を開けたら、何かが口内に入ってくる。