彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
◆4代目は天然たらし!?忍び寄る因縁の対決!!◆
翌日、奇跡は起きた。
「う、腕が動く!!」
「マジか凛!?」
「はい、瑞希お兄ちゃん!!」
右手をグーチョキパーして、動くことを伝える。
前夜にあったクルーザーでの武道会・・・じゃなくて舞踏会から一夜明けた今日。
私が日帰りするはずだった部屋を、旅館を、獅子島さんが改めて宿泊契約をしてくれた。
おかげで、無料券を持っていないヤマトを含め、全員が一泊することが出来た。
幸運にも、瑞希お兄ちゃんと同室になれた私は、目が覚めて知ったことを即座に彼に伝えて今にいたる。
「凛たん、腕が動くって!?」
「凛ちゃん、右手が復活したんですって!?」
「ほぉ・・・本物だったか。」
「わははははは!」
「よかったやーん♪うははは!」
瑞希お兄ちゃんが呼んだ内線で、かけつけてくれた龍星軍メンバーと。
「うんうん。副作用もなさそうだね。」
私の指先や手首を触りながら、診察してくれるおじいちゃん。
「シゲ先生、凛は大丈夫ですよね?」
「腕が動くなら大丈夫だ。が、油断はいけないね、瑞希君。」
目をキラキラさせながら聞く瑞希お兄ちゃんに、紳士的に答えるシゲ先生。
「蓮君には私からの薬は飲むのをやめてもらって、2、3日様子を見てみよう。次に私が往診に来た時に違和感もなければ、もう大丈夫だよ。」
「ありがとうございます!!よかったな、凛!?」
「は、はい!ありがとうございます、シゲ先生。」
患者本人よりも嬉しそうにしてくれる好きな人に、好感度がさらに上がる。
(こうやって、好きって気持ちが増えていくのね・・・♪)
〔★凛は瑞希に惚れ直した★〕