彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「今日は大学の日ですか?」
学校専用で使っているカバンを持っていた。
これに相手は、ため息交じりに言った。
「大学の集まりだ。瑞希、夕方には戻る。」
「おう、行って来い。」
「いってらっしゃい、獅子島さん。」
「ああ。ところで幡随院。」
「なんすかー?」
「例のデータの解析は終わったか?」
「ウェイウェイ!アゲアゲで順調です♪」
「わざわざ、ゆずってやったんだ。きちんとこなせよ。龍星軍のメンバーなんだからな?」
「ウェイウェイウェイ!俺期待されてる的な!?」
「ただでさえ、蛇塚・田渕と血縁があるんだ。なにかあれば、犯人になる身分を忘れるな。」
「ええ!?容疑者すっ飛ばして、俺犯人!?」
「獅子島さん、言いすぎですよ!?」
「事実だろう?JAGUARの頭とタイマンした4代目よ。疑わしきは切り捨てるだ。じゃあ、行ってくる。」
そう皮肉ると、分厚い本が見え隠れするカバンを持って行ってしまった。
それをムスッとした顔で見送るちーちゃんに声をかける。
「ちーちゃん、大丈夫?」
「リンリン~心配してくれる系―?」
「友達だからね。ごめんね、ちーちゃんは悪くないのに・・・」
「俺からもごめんな、幡随院。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「真田せんぱぁーぃ!」
「悪い奴じゃないんだが・・・凛が蛇塚に手を焼いたからよ・・・蛇塚へのムカつきが、オメーへの八つ当たりになっちまってるみてぇで。」
「そんな!僕より、瑞希お兄ちゃんですよ!愛人になれって、ストーカーされ続けて、お店を何度もやめたじゃないですか!?それの八つ当たりですよ!」
「ウェーイ!どっちにしても、俺的には神パネェんすけどー」
「だ、大丈夫だよ、ちーちゃん!一応、獅子島さん、悪い人じゃないから。」
「にゃははは♪一応って~元ヤンなのにぃ~?」
「それを言うと、君は元半グレ。」
「ぶはー!ウケた!鬼ヤバ!その通り過ぎ~!」
「軽いなコイツ・・・」
「そうなんですよね・・・」
元気にゲラゲラ笑うちーちゃんに、瑞希お兄ちゃんだけでなく、他の面々からもため息が出る。