彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「今日は大学の日ですか?」




学校専用で使っているカバンを持っていた。

これに相手は、ため息交じりに言った。





「大学の集まりだ。瑞希、夕方には戻る。」

「おう、行って来い。」

「いってらっしゃい、獅子島さん。」

「ああ。ところで幡随院。」

「なんすかー?」

「例のデータの解析は終わったか?」

「ウェイウェイ!アゲアゲで順調です♪」

「わざわざ、ゆずってやったんだ。きちんとこなせよ。龍星軍のメンバーなんだからな?」

「ウェイウェイウェイ!俺期待されてる的な!?」

「ただでさえ、蛇塚・田渕と血縁があるんだ。なにかあれば、犯人になる身分を忘れるな。」

「ええ!?容疑者すっ飛ばして、俺犯人!?」

「獅子島さん、言いすぎですよ!?」

「事実だろう?JAGUARの頭とタイマンした4代目よ。疑わしきは切り捨てるだ。じゃあ、行ってくる。」





そう皮肉ると、分厚い本が見え隠れするカバンを持って行ってしまった。

それをムスッとした顔で見送るちーちゃんに声をかける。




「ちーちゃん、大丈夫?」

「リンリン~心配してくれる系―?」

「友達だからね。ごめんね、ちーちゃんは悪くないのに・・・」

「俺からもごめんな、幡随院。」

「瑞希お兄ちゃん。」

「真田せんぱぁーぃ!」

「悪い奴じゃないんだが・・・凛が蛇塚に手を焼いたからよ・・・蛇塚へのムカつきが、オメーへの八つ当たりになっちまってるみてぇで。」

「そんな!僕より、瑞希お兄ちゃんですよ!愛人になれって、ストーカーされ続けて、お店を何度もやめたじゃないですか!?それの八つ当たりですよ!」

「ウェーイ!どっちにしても、俺的には神パネェんすけどー」

「だ、大丈夫だよ、ちーちゃん!一応、獅子島さん、悪い人じゃないから。」

「にゃははは♪一応って~元ヤンなのにぃ~?」

「それを言うと、君は元半グレ。」

「ぶはー!ウケた!鬼ヤバ!その通り過ぎ~!」

「軽いなコイツ・・・」

「そうなんですよね・・・」





元気にゲラゲラ笑うちーちゃんに、瑞希お兄ちゃんだけでなく、他の面々からもため息が出る。



< 253 / 453 >

この作品をシェア

pagetop