彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「おしゃべりはその辺で~俺の仕事みてよ♪ほらぁ~これこれ!」
画面に映し出される画像と短い文字
ワイシャツを着た茶髪の若い子が写っていた。
「うはははは!けっこう男前やんか~」
「いや、かなりの女ったらし顔だろう?ねぇ、凛さん!?」
「僕に言われても・・・どう、カンナさん」
「あ、あたしに聞くのかよ!?」
「いや、不良として、見覚えはありますか?」
「そう言う意味かよ!?」
パーン!
「痛い!?」
聞いたら殴られた。
「な、なぜ、平手で~」
「リンリン女心わかってなーい。」
「くっ・・・凛道め・・・」
「悠斗、スマイル、スマイル。俺は見おぼえないが・・・どうだ、大河?」
「・・・ねぇな。」
秀君の問いに、腕組みしていた円城寺君が息を吐く。
「少なくとも、ここらの地元の奴じゃねぇ。」
「変装かもしれないぞ。」
「瑞希先輩。」
「お兄ちゃん」
いつの間にかキッチンから移動した瑞希お兄ちゃんが、パソコンをのぞき込んでいた。
「顔まで審判に化けるような奴だ。素顔じゃないかもしれねぇ。」
「そういえば・・・そうでしたね・・・」
「えーでもこれで、間違いない系っすよー真田せんぱぁい?仮に顔が違っても~名前と年はあってる系で~す!」
「そうだな・・・幡随院が調べてくれたんだもんな。」
「真田先輩!?」
「お兄ちゃん。」
「真田せんぱぁぃ♪」
力強くお兄ちゃんが言う。
「伊織が信じてんなら、俺も信じる。」
「ウェイウェイウェイ!チョー鬼ヤバ!!俺褒められた系かな~リンリン!?」
「うん、褒めてもらったと思うよ。僕も同じ気持ちだから。」
「リンリン!?」
「一生懸命調べてくれてありがとう、ちーちゃん。」
「もぉ~だから、リンリン好き好き~!」
「わっ。」
「コラー!!だから凛さんに抱き付くな!つぶれるだろう!?」
「つーか、そんなことやってる場合かよ!」
「ウェイウェイウェイ!可児っちはいいけど、カンナっちには悪かったね~めんごめんご♪」
そう言いつつも、私に抱き付いたまま離れないちーちゃん。
(困るな~瑞希お兄ちゃんが見てる前で~)
誤解されたらどうしてくれんのよ?
・・・・って、私、男の子設定だから、そんな心配しなくていいんだっけ?
「オメーら!じゃれるのもそれぐれーにして、ちゃんと見ろよ。」
「あ、ごめんなさい・・・瑞希お兄ちゃん・・・・」
それで私達は、画面の文字へと視線を移した。
そこに書かれていることを、首に抱き付いているちーちゃんが読み上げる。