彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
絶景が広がる場所でのご飯は最高だった。
「わぁ~すごいですねぇー!?」
「ミシュランにのってる店だからな。」
豪華なランチを前に、得意げに獅子島さんが言う。
すごいのはそれだけじゃない。
完全ガラス張りのテラスの中は、適度な冷房がきいている。
「どうだ、凛道?」
「すごいです、獅子島さーん!」
(一番すごいのは瑞希お兄ちゃんだけど♪)
〔★やはり順位は変わらない★〕
「わはははは!忍者屋敷だったら味わえないだろうなぁ~」
伊勢海老をカラごとバリバリたべなっがら百鬼さんが言えば、隣に座っているモニカちゃんがしかめっ面をする。
「ちょっとは行儀良くしろ。・・・・ただでさえ、目立ってるんだぞ?」
(あれ?モニカちゃん、言葉遣いが・・・?)
「男言葉・・・?」
「今だけだ、凛。」
モニカちゃんが変わった理由を、隣にいた瑞希お兄ちゃんがこそっと教えてくれた。
「モニカは、TPOがわかってるからな。危険を察したら、男に化けるんだよ。ほら、来たぞ・・・・。」
「え?」
「あの~すみませーん♪」
瑞希お兄ちゃんの言葉に続くように、甘ったるい声が響く。
声のする方を見れば、知らないお姉さんが数人、私達のテーブルにやってきた。
従業員じゃない、あきらかに私達と同じ観光客。
「ちょっといいですかぁ~?」
お姉さんは、モニカちゃんに話しかける。
「なんでしょう?」
これに男モード(?)で答えるモニカちゃん。
「皆さんお友達ですか?」
「ええ、そういうところですよ。」
「ですよねぇ~」
「もしかして、うるさかったかな?ごめんね。」
「「「きゃん♪」」」
パチンとウィンクすれば、頬を染めてときめくお姉さん達。
私は私で、海鮮パスタを食べようとしていたフォークを持つ手がとまる。
(お・・・・男らしくカッコいいモニカちゃんだと・・・!?)
〔★見るのは二回目(【彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)】以来)だ★〕