彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
思わぬ隠し武器を見せられ、ぼーぜんとする私の前で逆ナンは終了する。
「じゃあね、バイバーイ♪カッコいいお兄さん!」
「またね♪」
「絶対連絡してね♪」
「うんうん、ありがと♪」
必死で手を振る女子達に、モニカちゃんが優雅に手を振る。
そんな彼女達がいなくなったところで聞いた。
「なんですか、あれ?」
「ナンパぞ、凛?」
答えたのは、私の隣に座っていた瑞希お兄ちゃん。
円卓の席で、モニカちゃん達を親指でさしながら言った。
「こいつらといると、絶対女からナンパされんだよ。」
「瑞希たんは男からだけどなぁー」
「ぶっ殺すぞ、烈司!?」
「静かにしないか、小動ぶ・・・瑞希。目立つではないか。」
「俺を小規模な生き物呼ばわりするな!」
「ということでな~公の場では、モニカはカッコいいお兄さんなんだよ、凛たん。」
「気分は宝塚の男役だぜ♪イエーイ♪」
「そ、そうでしたか・・・」
烈司さんの説明に、ピースしながら舌を出すモニカちゃん。
それだけで、遠くの席に座っている別のお姉さんグループがモニカちゃんにスマホを向けているのが目に映った。
「あの・・・あちらの席の方に隠し撮りされてるみたいですけど・・・?」
「イエーイ、それはよくないな・・・。伊織、席を変えられないか?」
「移動するのがつかれる。」
「年寄りくさいわねん!?」
「モニカたーん、言葉遣い。」
「あん、じゃなくて、いけねぇ!そうだった・・・・ふっ・・・・」
キザに決めながら微笑むと、その顔で自分を隠し撮りしたグループを見るモニカちゃん。
軽く手を振れば、その席からきゃぁあ~!と黄色い悲鳴が上がる。
「モテますね・・・モニカちゃん・・・・」
「ふっ・・・女に騒がれるのも困ったもんだぜ・・・!」
知らない人が聞けばうぬぼれてるように聞こえるだろうけど、きっと違うと思う。
この人は本気で迷惑している、と。
〔★キレイなオネェさんは男が好きだ★〕