彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「惜しいな。それで心身が一致していれば、今頃バラ色の人生だったぞ、勘兵衛?」
「公共の場だから大人しくしといてやるが、次にその名で呼んだら、かき氷を口の中に突っ込むぞ伊織この野郎。」
「やめてください、2人共!」
「今のは伊織が悪い。モニカのフェロモンで女どもが寄ってくるのは仕方ねぇだろう?」
「瑞希お兄ちゃん。」
「ゆっくり食事できなくなったからって、八つ当たりしてんじゃねぇーぞ。」
「みーちゃん!」
「フン・・・」
私の一言よりも、瑞希お兄ちゃんの二言で大人しくなるお二人さん。
(ホント、瑞希お兄ちゃんって素敵・・・!)
私なんてまだまだね!
頑張ろう!
そう思ったら、疑問がわき起こった。
「どうして、瑞希お兄ちゃんは声をかけられなかったんだろう・・・」
「あん?俺?」
「だって!百鬼さん系の肉食獣でもないのに、誘われなかったのはおかしいですよ!」
「誰が肉食だ凛助!?野獣と言え!」
「そっちが褒め言葉なんですか!?いや、でも、本当に~僕はともかく、瑞希お兄ちゃんが声をかけられないっておかしいですよっ!」
「いや、俺に言われてもなぁ~」
「あ~・・・・そのことだけど凛たん、多分なぁー・・・」
「あのーちょっといいスか?」
烈司さんの言葉と知らない声がだぶる。
「ちょっとだけ、今いいかな?」
「え?」
「あん?」
いたのは、よく日焼けしたパーマ頭の男。
少し後ろには、連れらしい男達がニヤニヤしながらこっちを見てる。
「どちら様ですか?」
「いや、坊やには用はないんだよねぇ~用があるのは、右隣の子で~」
「なんだよ?」
目だけでチラチラと瑞希お兄ちゃんを見ながら聞くパーマ男。
「なんの用だよ?」
「いやいや!そう警戒しないで!ちょっと確認したいことがあって~」
ジロッとニラむ瑞希お兄ちゃんに、しろもどしながらパーマ男は言った。