彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
〈あなたに認められた4代目総長が、こんなことぐらいで泣きごとを入れちゃダメでしょう?〉
「り、ん・・・・!?」
凛の言葉で、平静を保てなくなる。
陽翔を失った時、2度と弟分は作らないと決めた。
だけど、凛と再会した時、なぜか連れて行きたくなった。
陽翔とは違った『何か』を感じて、手元に置きたくなった。
大事にしたくて、陽翔のことを口に出せずにいた臆病な俺。
(今なら、凛に俺は―――――――)
だから、凛が何か言おうとする前に、先に言おうとしたのだが――――――
〈あ、あーそう!そういうことだったのね!?〉
第三者が乱入する。
こうなった原因を作った本人。
「アキナ!?」
〈お兄ちゃんの前だから強がってるのね!そうよ、そうじゃなきゃ~やりがいがないもの!そうよね、凛道蓮君!?〉
「凛に何する気だ、アキナ!?」
〈うるさいわよ、真田瑞希!良いわ、付き合ってあげるわよ!あんたが、4代目として立派なのかどうか!?〉
俺に罵声で返すと、なにかを思いついたような声でそう告げるあわれな女。
アキナの性格を知る他の奴らからも、その不満が発せられる。
「どうしようってんだ、アキナ!?」
「アキちゃん、いい加減にしなさいよ!」
「今すぐ火を止めんと、こちらも容赦せんぞ・・・!?」
「ア~キ~ナ~!!俺様を怒らせたいか!!?」
〈もう怒ってるじゃない。〉
ブチ切れモードの仲間を恐れることなく、むしろ楽しむように得意げに言うアキナ。
〈見てるだけしかできないギャラリーは黙ってな!〉
「アキナ!!テメー!!マジで、凛を焼き殺す気かっ!!?」
〈あら?怒った、真田瑞希さん?心配しなくても、あんたの可愛い凛道蓮がもだえ苦しむ無様な姿、流し続けてあげる!〉
「なっ!?やめろ、アキナ!」
相手から伝わる本気に、土下座だってする思いで頼んだ。