彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「どうだ!?」
「衝撃に耐えられるか?」
「あーん、神様~!」
「凛!」
「凛さん!」
「リンリン!」
「凛道っ・・・・!!」
全員がかたずをのんで見守る。
ミシ!
大男2人の力で、画面が動く。
ミシミシミシ!
「「「「「「「「「「あ!?」」」」」」」」」」
機械的な音を立て、画面が倒れた。
ガッシャーン!!
「うはははは!」
「わーはっはっはっはっ!」
「「「「「「「「「やったっ!!」」」」」」」」」
「凛っ!!」
パチパチと、感電し合う音を鳴らしながら倒れた壁。
灰色の煙が充満している建物内が見えた。
「やった!これで凛を―」
助けに――――――――
「逃げろっ!!」
ガシッ!!
「へ?」
助けに行こうとしたら、腕をつかまれる。
「烈司!?」
「離れろ瑞希!!」
「全員後ろへ退避!!」
烈司の声に続き、伊織の怒声が飛ぶ。
ボボボボーン!!
「うわああああああああああ!?」
「きゃああ!?」
熱風を含んだ風が、火が、煙の中から出てくる。
「全員遠くまで走れ!!」
考える前に体が動いていた。
「瑞希来い!」
いや、動かされていた。
烈司に引きずられていた。
襲い掛かるように炎と煙が迫る。
それで、人任せだった動きが、自力で引っぱられる方へと進んでいた。
ゴオオオォー!!
体にかすれた熱風。
それはすぐに収まったが、過ぎ去った熱さに思わず声を上げていた。
「な・・・なんだ、今のは!?」
「フラッシュオーバーだ。」
「フラッシュオーバー!?」
俺の側で、冷静な伊織が静かに告げる。
〔☆良い子のためのワンポイントアドバイス☆〕
フラッシュオーバー:室内で起きた火災による熱で発生したガスによって、一気に発火が起こる現象のことだよん♪