彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
“お前あん時の坊主か!?”
“ヤンキーでもないガキを、ここに出入りさせるわけにはいかん。瑞希と会せるわけにはいかん。”
最初は、瑞希お兄ちゃんと獅子島さんの言葉に反発した結果だったけど。
“さすが凛は、俺が4代目総長に見込んだ男だな~”
“凛が龍星軍をついでくれて良かったぜ。”
“俺にいつでも甘えろよ、凛。兄弟なんだからよ?”
「男じゃなきゃ・・・・そうじゃなきゃ、僕は―――――――――・・・・・!!」
好きな人の隣にいれない。
「変なことを言うね。」
「え!?」
私の訴えに、変わらぬ表情でシゲ先生は言った。
「私は医者だ。私の仕事は、患者の病気と怪我の治療をすること。『個人情報を守る』ことだ。」
「え・・・・!?」
個人情報を守るって――――――――――!?
「瑞希君から、『くれぐれも弟の凛を頼みます。』と言われた。伊織君から凛道蓮君の説明を受けた際も、モニカちゃんから凛ちゃんへのろけ話をされた時も、烈司君が凛たんについて語ったことも、皇助君がどれだけ凛助を気に入ってるか聞かされていても――――――――その内容を誰かに言うことはない。守秘義務に反するからね。」
「先生・・・・!?」
「凛道蓮君の事情は、ヤマト君から聞いている。」
「ヤマトから!?」
「一言、言わせてもらうとしたら−−−−−勘違いがここまで発展するのも珍しいケースだということ・・・・かな?」
「ヤマト!!」
「うはははははは~いやぁ~すまん、すまん!凛がシゲ先生のところに運ばれるいうから、メールとLINEと電話で伝えてもーたんや♪」
「何でメアドとか知ってるの!?」
「ヤマト君が、片腕状態の蓮君の付き添いをすると聞いていたのでね。私から渡したんだ。」
「シゲ先生。」
「蓮君、何事にも限度がある。特に怪我に関しては、自分で何とかしようとしてはいけない。これはいじめに関しても同じだよ。」
「っ!?」
そこまで!?
(そこまで、私のことを考えていてくれたの・・・!?)
そう思ったら、胸が熱くなった。