彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「良いじいさんとみせかけて、悪いじいさんかもしれないよ。」

「え!?」

「蓮君、光と闇は、人間の裏と表も意味している。君がどちら側にいるか選ぶのは、どちらかの『凛』だ。」

「えらぶ?」

「社会的な肩書ではなく、どっちが君にとって『光』になるのか、それを見誤ってはいけないよ?」

「・・・・はぁ・・・」




(どちらが光りって・・・・??)




本物の私、菅原凛がいる方が『表』で、変装してる凛道蓮が『裏』だから・・・『菅原凛』でしょう??




「あのシゲ先生のおっしゃっていることの意味が、ちょっと・・・」

「今はわからなくても、いずれ、選ぶ時がくる。選び方を間違えると・・・アキナちゃんみたいになるからね。」

「アキナちゃんって、九條アキナですか!?」

「なんや!?じいちゃん先生、知り合いなんか!い?

「知ってるよ。陽翔君同様、僕の患者さんだった。」

「え!?」




予想もしていなかった言葉。




「うはははは!世の中、広いようで狭いわ!」

「そうだね。」

「シゲ先生、あの・・・アキナさん、昔からあんなヒステリーで・・・・?」

「言ったじゃないか、蓮君。患者の個人情報を僕は言わない。」

「あ、そうでしたね。すみません。」

「ただ、これはひとり言なんだが・・・・・私が知ってるアキナちゃんは、人を焼き殺そうなんてことはしないよ。陽翔君が死んで変わったね。」

「え!?教えてくれるんですか、シゲ先生!?」

「なにが?私はひとり言しか言わない。」

「うはははは!大したじいさんや!」



〔★とんちもきくジイさんである★〕



< 348 / 453 >

この作品をシェア

pagetop