彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「私は医者だから、患者を治すのが仕事だよ。例え、人殺しであろうと傷ついていれば治す。死にたがっている人でも治すんだよ。」
「先生・・・?」
「蓮君。」
「私にとって君は、凛道蓮君という人間でしかない。瑞希君から、『弟を頼みます』と言われた以上、それに答えるだけだよ。」
「シゲ先生・・・」
「今回みたいに怪我をしたら、すぐに僕のところに来なさい。お金も気にしなくていい。」
「え!?でもー・・・・」
「もしもの時のために、瑞希君達が大金を押し付けてきてね。それで十分に足りる。今回も君からはもらわないよ。」
「シゲ先生、どうして・・・・!?」
数回しか会ってない私のために、厄介でしかないはず患者のために――――――
「どうして、こんなによくして下さるんですか・・・!?」
「君は、私が知っていた子に、よく似ているんだよ。」
え?
「知っていた子?」
だれ?
そう聞こうと思ったら音がした。
コンコン。
病室のドアを叩く音。
「シゲ先生、凛はどうで――――――――凛!?」
「瑞希お兄ちゃん!?」
現れたのは、私の大好きなお方。
私を見るなり、ものすごい勢いでベッドに駆け寄ってきた。
「大丈夫か、凛!?」
ドカッ!
「うはー!?」
ヤマトを弾き飛ばすほどの勢いで。
〔★見た目を裏切る馬鹿力だ★〕
「ごめんな、凛!!無事でよかった・・・!!」
そう言うなり、私を思いっきり抱きしめて下さる愛しいお方。
「瑞希君、あまり強く抱きしめるとつぶれるよ。」
「すんません、先生!でも、俺・・・・心配だった・・・・!」
「そうだったね。治療をする時も、外に出なさいというのに、なかなか出なくて困ったね。」
「わはははは!まったくだぜ、瑞希。」
「ここが個人病院だったからよかったものを。」
「大きい病院なら、他の患者さんのめーわくよ、みーちゃん!」
「まぁ、気持ちはわかんねぇわけじゃねぇけどな。」
「百鬼さん、獅子島さん、モニカちゃん、烈司さん!?」
彼の後に続くように、4人の先輩達も病室へ入ってくる。
そして口々に言う。