彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)



「・・・・じゃあ、こうしましょう。いったん、海水浴場に戻って遊んで、そこで誰かがナンパされた時点で、獅子島さんのプライベートビーチへ移動しましょう?」

「あら♪それはいいわね、凛ちゃん!」

「わははははは!わかってんじゃねぇか、凛助!」

「俺はかまわんが、どうだ?烈司?」

「んー・・・・・凛たんが良いならいいんじゃねぇの?なぁ、瑞希?」

「たくっ!凛は女だけじゃなくて、自分の先輩にも甘いんだからな~」





呆れるように言われ、ぐしゅあぐしゃと頭をなでられる。





「あんま、気遣いばっかしてると、ハゲるぞ?」

「は、はげませんよ~!」

「名案が浮かんだぞ、瑞希。お前が男に声をかけられんいい方法がある。」

「ああ!?パーカー脱いで、胸板さらせばいいんだろう!?」

「いや、凛道とそのまま腕組みをし続けろ。そうすれば、恋人同士に見える。悪い男も寄り付かない。」

「名案ですね!!?」

「どこがだぁぁぁぁ!!?」



〔★凛と瑞希の意見が分かれた★〕





「なんだそりゃ!?俺に凛の彼女になれって!?」

「じゃあ、彼氏でお願いします!僕、頑張って女の子ぶります!頑張りますから!」

「凛お前・・・そこまで俺のことを・・・!?」

「いや、それでは仲良し女子にしかならんだろう。」

「つーか、さっきのはまぐれで凛たんが男に見えたんだろう?」

「そうよ!そうに決まってるわよ!モニカちゃん、恋人同士なんて許さない!!」

「わはははは!おもしれーからどうなるかやらせて見りゃいいじゃねぇかぁ~?」

「テメーら、人で楽しんでるだろう!?」



(とはいえ、これは大チャンス!!)





上手くいけば、お芝居でも恋人同士で過ごせる!





「み、瑞希お兄ちゃん!僕じゃダメでしょうか・・・!?」

「はあ!?あのな、そういう問題じゃ~」

「スカート、はきますよ!?サーフィンのスーツから着替えてもいいですよ!?」

「そこまで同情されてるの、俺!?」

「違います!!お兄ちゃんが嫌な思いすると僕も嫌だから、だから・・・・!」

「凛・・・・」





ズズっと鼻をすすれば、瑞希お兄ちゃんの激高もやむ。



< 35 / 453 >

この作品をシェア

pagetop