彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)



「大変だ!!女の子が流されたぞ!」

「母親が目を離したすきに波にのまれて、わからなくなったらしい!」

「まだ3才だろう!?」

「流される瞬間、誰も見てなかったんだって!」

「ライフセーバーは何やってんだよ!?」

「沈んじまって見つけらんねぇらしいんだよ!」

「いやあぁあああ!美香ぁ!みかぁぁぁ!!」





母親らしい人が取り乱し、海に入ろうとしていた。

それを大人数人が必死で取り押さえていた。





(水難事故!?子供の姿が見えない!?)





そう思ったら、とっさに叫んでいた。






「烈司さん!」

「烈司!!」








瑞希お兄ちゃんと一緒に。







「ハイよ。」

ジャラ!







どこからだしたのか、水晶の数珠を手にした烈司さんがそれを握りしめて目を閉じる。





「ハイビスカス柄のピンクの水着の女の子が見える・・・・」

「服装はいいですから、早く!」

「こっちから見て東側、20メートルほど潜った地点でもがいてる。」

「わかりました!!」


「凛!?」







聞くや否や、ダッシュで砂浜に飛び降りる。

言われた方角へと一目散に向かう。






(早くしないと!!助けないと!!)






サングラスを投げ出し、ヤマトから借りたゴーグルを素早くつける。






「みかぁ!みかぁ、どこよぉ~!?」






そして、騒然としている、取り乱している母親に向かって叫んだ。





「大丈夫ですっ!!」

「へ!?」

「ハイビスカスのピンクの水着を着たお子さんなら大丈夫です!?」

「・・・な、なんでそれを!?娘が着ている水着を知っ―――――――!?」


「20メートルぐらいの場所でもがいてます!!」




バッシャーン!!





水泳選手みたいに飛び込む。

母親を安心させるために飛び込んだけど、





(しまった!!東の方向って言うのを忘れた!!)




言い忘れたことを後悔する。



〔★そういう問題ではない★〕



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