彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「こら、凛!なに、ヘラヘラしてんだよ!?」
「いえ・・・瑞希お兄ちゃんに心配してもらえてると思うと、気がゆるむと言いますか・・・」
「ばっか!!楽しんでんじゃねぇーよ、ばかやろう!!」
ゴン!!
「あう!?」
耳まで真っ赤になったかと思うと、強烈な痛みが頭部に走る。
「いたぁ~!?」
「俺は寝不足なんだ!さっさと寝ろ!」
頭突きを食らったのだと理解した時、彼は私から顔をそむけていた。
(でも、腕枕は続けて下さるのね・・・♪)
嬉しくて、甘える猫のようにゴロゴロとすり寄る。
そんな私の髪を腕枕している手で、くしゃくしゃと撫でてくれた。
私の頭をなで続けてくれる。
「瑞希お兄ちゃん、あの・・・・」
(腕、疲れないかな・・・?)
「うるせぇ。眠れねぇだろう?」
「あ・・・・はい。でも、僕がいてもいいのでしょうか・・・?」
「いいんだよ。」
とげのある声だったけど、私への動作は優しい。
「新旧の龍星軍の頭同士がつるんでることの、なにがいけねぇってんだよ?」
「そ、そういうわけでは・・・・」
「凛、龍星軍の役職決めたからって安心するのはまだ早いぞ?カンナ達を仲間に認めた以上、1人暴走族は卒業・・・・・龍星軍の再デビューのお披露目集会が待ってんだからな?」
「はああ!?また、するんですか??」
「そうだろう?『弁才天』も仲間にしたんだから、周りに示しがつかねぇだろう?」
「こんなことなら、急いでデビュー集会しなきゃよかったです。」
「そうか?俺は凛と走れてうれしかったけどな?」
「それは、僕も同じ気持ちですが!!」
「だったら・・・見守ってやるから、大河達と上手いこと話して・・・2度目の集会を成功させろよ・・・?」
眠そうな声で言われる。
私の前髪をなでていた動きがゆっくりと止まる。
「瑞希お兄ちゃん?」
さすがに疲れたのかと思う。
恐る恐る、彼へと顔をかたむければ、瑞希お兄ちゃんも私の方へ首を動かしてきた。
それで思わず彼を見れば・・・・