彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「スー・・・・・」
(寝てる・・・)
穏やかな顔で寝息を立てていた。
年より若く見える顔を眺める。
改めて、女せ・・・・中性的な顔をしていると思う。
ずっと見ていても飽きなかったけど、風邪を引いたらよくないと思い、足元にあるバスタオルをたぐり寄せる。
(私が動くと、瑞希お兄ちゃんが起きちゃうかな・・・?それは可愛そう。)
というのは建前で、本心は、瑞希お兄ちゃんとの密着タイムを失いたくない。
だから、ずぼらな手段を選んだ。
「ほっ!」
行儀が悪いとは思ったけど、足の指でバスタオルをつまんで持ち上げる。
今の姿勢を崩さないように、手が届く距離まで、上半身へとたぐり寄せる。
よじよじとしながら、小刻みに動いていたのだけど・・・・
「・・・・ん~・・・・寝れねぇだろぉー!?」
ガシッ!!
「あう!?」
バスタオルを、お互いのお腹に乗せたところで怒鳴られた。
「す、すみま・・・・!」
(怒られた!!)
冷や冷やしながら瑞希お兄ちゃんを見れば。
「・・・・じっとしてろ・・・・」
とろんとした目で、甘くささやかれる。
「っ・・・!?」
それだけでも、顔から火が出そうなのに。
「んー・・・・」
「あ、ううう!?ちょ、瑞希お兄ちゃん!?」
私の腰に両足をからませる。
腕枕にしていない腕が、首や背中をなでる。
(あうぅぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~!!)
「スースー・・・・」
おまけに、私にかかる吐息は、甘いカフェイン臭で・・・これは、さっき飲んでたアイスコーヒーのにおいだとわかった。
瑞希お兄ちゃんまみれで幸せではあったけど~!!
(こんな状態で、寝れるわけがないよ・・・・!!)
おかげ様で、昼寝なんてできなかった。
昔の女性みたいに、恥ずかしさのショックで気を失えればよかったかもしれないが・・・いや、それだと瑞希お兄ちゃんを堪能できないのでよくないわ。
ということで、安眠をむさぶることは出来なかったのです。
〔★しかし、違うものは得られたようだ★〕
~生還からの後始末!新生龍星軍決定!!~完~