彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「おーい、関山!ちょっと。」
「やば、チーフだ。行かなきゃ。」
職場の上司の言葉に、つなぐの表情が変わる。
「それではご主君、お名残り惜しいですが~」
「可児君が毎回、ヤマトに『五分刈り』だって言う気持ちがわかってきました。」
「俺の前で他の男の話はしないでよ、ぼっしぃ~?」
「わかりましたから、早く仕事に戻りなさい。」
「はいはい。早く2人きりになりたいんですね?」
「ぶっ!」
それで、飲んでいたジュースでむせる涼子ちゃん。
「ゴホゴホ!」
「あ、大丈夫、涼子ちゃん?はい、ハンカチ。」
「ご、ごめんなさい・・・!」
「あはは!さすが、第二夫人。まだまだウブだね?」
「だっ・・・!?」
「誰が第二夫人だ!!?嫌いになりますよ、つなぐ?」
「ああ!?うそうそ!今度こそ、冗談!」
「今までは違うんですか!?」
「いや~忍者カフェで見た時から、清楚で可愛い子だと思ってましたよぉ~涼子姫。」
「「りょ、涼子姫!?」」
「そう呼んじゃだめかな、姫?」
そうささやくつなぐの姿は、とてもカッコいい。
同時に、その背景となっている女子達の顔が美しくない。
〔★嫉妬でゆがんでいる★〕
「つなぐ、君のファン達が怒ってますよ!個人的にも、涼子ちゃんをそう呼ぶのは禁止です!困らせないの!」
「不機嫌なのは、焼きもち妬きのご主君でしょう?今日のところは『涼ちゃん』にしておきます。今後ともよろしくね、涼ちゃん♪」
「は、はあ・・・」
「つなぐ、君ねー!」
「おい、関山!!なにやってるんだ!?」
「はーい、わかってまぁーす!」
再度呼ばれ、それに大輪の花のような笑顔で答える美形。
「きゃ!?あの人カッコいい~!」
「ばか、知らないの!?噂の、つなぐ様よ~」
「あのイケメン店員の~!?」
それで数人、新たな犠牲者が出たが見なかったことにする。
「では、ぼっしぃ~涼ちゃん、ごゆっくりぃ~」
「君はゆっくりしすぎ!早く仕事しなさい!」
「が、頑張ってくださいね。」
「うんうん♪了解♪」
そう言って笑うと、モデル歩きで行ってしまった。
あの子もあの子で、いろいろもったいないと思う。
〔★『隣の花は赤い』でググれ★〕