彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「はあ~・・・やっと静かになった・・・・」
「うん・・・・でも、周りの視線が痛いかも・・・」
「大丈夫。そのうち他所へ行くよ。」
気休めで言った言葉だったけど、夜のお店の仕事帰りらしいお姉さんが入店し、つなぐに抱き付いた瞬間、それは実現する。
「会いたかったわ~つなぐ~!」
「まーこさん!おかえりぃ~じゃなくて、いらっしゃい♪」
「なにあの女!?」
「私達のつなぐ様を~!?」
「つな様と馴れ馴れしくムカつく・・・!」
(って、ホントにターゲットが移ったし!?)
〔★恋する女子は単純だ★〕
「なんだか・・・・大変だったね・・・」
「うん・・今回も疲れた・・・」
モテモテの仲間が遠ざかったことで、やっと私達2人の会話が始まる。
「本当に・・・凛君が無事でよかった。」
「ありがとう、涼子ちゃん。」
「でも・・・これからも気をつけてね?今回も良い人だったから良かったけど・・・・」
「良い人かどうか怪しいけど、その忍者から君へ。」
「え?」
フレンチトーストを食べる彼女にそれを差し出す。
「これは・・・」
「すごい包装でしょう?」
「凛君、これはなに・・・?まさか――――――!?」
「そう、そのまさか。中身は涼子ちゃんの携帯電話。」
「え!?あ、ああ!そうだったの!?あ、うん、そうだよね~!?」
「涼子ちゃん?どうかしたの?」
「う、ううん!なんでもない!なんでもないです!本当に!ラッピングほどくのが、もったいないわ!」
「だよね~」
涼子ちゃんの言う通り、完成度の高い包装だった。
「もしかして、これ、凛君が包んでくれたの?」
「いいえ、さっきの忍者がお詫びに包んだそうです。」
「あの人が?」
女性客に愛想笑いしている人物を目だけで見る友達。
「・・・マメそうだから納得できるけど・・・器用だね。」
「本当にごめんね。巻き込んでしまって。携帯がなくて、困ったでしょう?」
「ううん、平気よ。なによりも、盗られた瞬間、全然気づかなかったわ。」
「忍者の子孫だからね。まぁ・・・やったことを考えれば、スリともいえかもしれないけど・・・」
「ふふふ、そうだね。」
〔★同じと言っていい★〕