彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「大丈夫ですか?名前と、年は言えますか?」
そう言って出てきたのは、結構マッチョなさわやかなお兄さん。
「え?あ、どちら様で??」
「いいから、お答えしろ!!」
「い、言いますから怒らないで、瑞希お兄ちゃん!えーと、凛道蓮、15歳です。」
「ちょっと、この人差し指を見てもらえますか?」
「え?」
「動きに合わせて見て下さいね?」
そう言われ、右に動く指を目で追いかける。
それは上下左右と連続して続く。
指の動きに合わせてしばらく目を動かせば、人差し指を下げながらさわやかマッチョのお兄さんは言った。
「大丈夫みたいですね。」
「あの、いったいこれは・・・・?」
「ばか!!お前は、子供を助けに行って、自分もおぼれかけたんだよ!!」
「え!!?」
瑞希お兄ちゃんの言葉で思い出す。
(そうだ私は~~~~~!)
「あ、足を引っ張られておぼれかけて・・・!?」
「ああ、この辺りは海藻が多いですからね・・・ひっかかったんでしょうね。」
「え?」
そう言ったのは知らないお兄さん。
何者かというのも気になったが。
「ち、違います!あれは人の―――――――」
人の手だった。
それを海藻なんていうもんだから、反論したのだけど。
「違うか馬鹿!ライトセーバーの方が言うんだから間違いないだろう!?」
側にいた瑞希お兄ちゃんが私の言葉を否定した。
「ライトセーバー?」
聞き返せば、眉をひそめながら言われた。
「水難救助をする人達だ!」
「そ、そうでしたか・・・。」
「幸い、目に見える症状はないですが、念のために病院へ行って下さい。」
瑞希お兄ちゃんの言葉を受け、その人は私を見ながら言う。