彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「んっとに!せっかくの海水浴がパーだっ!」





やけくそのように瑞希お兄ちゃんは叫ぶと、ヒューヒュー♪という声も上がる中で、彼は言い放つ。





「帰るぞ、凛!」

「え!?旅行、終了ですか!?」

「ばか!宿に帰るんだよ!!」

「そうよ!凛ちゃんの体を休ませないと!」

「今日休めば、明日また遊べるからな?」

「どの道、この天気では海に入れるか。」

「わははははははは!」

「あ、言われてみれば・・・・」





暗くなった空と強い風。

海水浴客も引き上げていた。





「つーことで、シゲ先生への連絡任せたぞ、伊織!」

「もうした。往診に応じてくれるそうだ。」





(往診!?)





「お医者さんが来るんですか!?」

「当たり前だ。だから病院を断ったんだろう?」





(それは困る!)






「大丈夫です!平気だから呼ばないで!!」

「なんだよ、凛?医者嫌いか?」

「嫌いです!」

「ハッキリ言いきるな!?」

「大丈夫よ~凛ちゃん。シゲ先生は、優しいのよ?」

「俺らも昔、世話になった先生だぞ、凛?心配すんな。」

「そーそー!裸にされるわけじゃないって凛たん~」

「でも、直診とかしますよね!?」

「脈ぐれーはとるって。服なんて脱がされねぇーって。」





(本当でしょうね・・・・?)





ジッと男前を見る。

烈司さんはまだ、私に親切だから・・・

嘘は言わないと思うけど。





1番確実なのは――――――





「瑞希お兄ちゃん。」

「烈司の言う通りだ。」






この宇宙で一番信用している人は言う。




「ライフセーバーがしたようなことをするだけだ。俺もいるから怖がるな。」

「お兄ちゃん・・・」

「いいな?」

「・・・・うん。」





そんな顔で言われたら、NOなんて言えない。





(ヤマト・・・・どうやら、今日が私の告白日になるかもしれない・・・)



愛の告白を・・・ね?



〔★どちらかといえば、カミングアウトだ★〕



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