彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「んじゃー行くか!よっと!」
「え!?」
そんな掛け声に合わせ、体が浮く。
「み、みみみみみ、瑞希お兄ちゃん!?」
「あーん、凛やんズルい~!」
「おうおう、妬けるねぇ~お姫様抱っこ?」
「わははははは!かつげばいいだろう~!?」
「それだと吐くだろう!?飯食った直後に海に飛び込みやがったんだから!!凛も我慢しろよ!?」
「が、我慢なんてとんでもない!!」
むしろ、ラッキー!?
(恋の神様ってば、ホント気紛れなんだから~)
〔★凛ほどではない★〕
「てか凛ちゃん!顔がにやけすぎ!」
「え!?そ、そんなことないです!いつも通りです!」
「あんらぁ~マスクの下は、いつもそういう顔してたのぉ~?」
「マスクの下?」
「凛、素顔全開だけどいいのか?」
「・・・・・え?ええ――――――――――!?」
言われて、顔を触り、あせる。
「サ、サングラスは!?」
「海に飛び込むときに放り投げただろう?」
「ゴ、ゴーグルは!?」
「そりゃあ、人工呼吸で邪魔になったからはず・・・・」
「人工呼吸?」
「あっ!!?」
聞き返した瞬間、瑞希お兄ちゃんの顔が赤くなる。
「ば、ばか!仕方なかったんだよ!!」
「えっ!?そ、それはどういう意味で~!?」
「うるせぇうるせぇ!タオルでもまいてろ!!」
「あん♪あたしのタオル~」
モニカちゃんの私物を奪うと、私の頭にかぶせる愛しいお方。
その動揺ぶりで、まさかと思う。
「そ、それはどういう意味で・・・・?」
瑞希お兄ちゃんではなく、他の4人を目で見ながら聞く。
「ノーコメント。」
「察しろ、バカたれ。」
「あーあ!勢いに負けちゃったわぁ~」
「わははははははは!!高千穂と円城寺達には黙っててやる!!」
「っ~~~~~~~~~テメーらぁぁぁ!!!!」
「そ、そうなんですかっ!!?」
遠まわしに言われ、顔が熱くなる。
耳まで熱を感じる。
(私を助けるために、瑞希お兄ちゃんは~~~~~~~)
「チューしてくれた・・・・?」
「ばっ!!?ノーカンだ、ノーカウント!!人命救助だから~~~~~!!」
「わかってます!!」
「り、凛!?」
「わはははは♪逆ギレかー?」
そうじゃない。
そういうんじゃない。
私を助けるために・・・・・
「男の子だとわかっててて、そこまでしてくれたことが・・・・」
(嬉しい・・・・・・・)
女の子として、愛されてると思ってしまうじゃないですか・・・・?