彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「!?ば、ばか!・・・・・・命かかかってんだぞ・・・・・?」
「だけど・・・」
「あーもー!俺が良いから、良いんだよ!!良いの!わーったか!?」
「聞いたか、凛たん?凛たんとのチューは良かったらしいぞ♪」
「烈司!?」
「でしょーねぇー!凛ちゃんの唇、見るからにプルプルだも~ん!羨ましい!」
「モニカっ!」
「言っとくが、そっちに目覚めるのは自己責任だぞ、瑞希。凛道は巻き込むな。」
「い~お~り~!」
「わーはっはっはっはっ!!」
「笑うな、皇助!!」
その声を合図に、走り出す4人の先輩。
それを、私を横抱きにして追いかける瑞希お兄ちゃん。
「待てコラぁ―――――!!」
「いーじゃねぇーか、どっちもどっちだろう~」
「わははははは!ブラコンブラコン♪」
「ホント、嫉妬しちゃうんですけど~!?」
「モニカ、怖い目はやめろ。あくまで、事故という弱みなんだからな。」
「一番怖いのはお前だ伊織――――――――――――!!」
「ですね・・・」
(私にはラッキーハプニングだけど、瑞希お兄ちゃんにとってはアンラッキーみたい。)
「僕とのキス・・・・後悔してますか・・・・?」
「はあ!?するかボケ!」
「え!?」
即答され、思わず相手の顔を見る。
そんな私に、真っ直ぐな目で瑞希お兄ちゃんは言った。
「凛の命にと比べりゃ、安いもんだろう?当たり前のこと聞くなよ?」
「・・・・・瑞希お兄ちゃん・・・・・!」
「つーか、待てお前ら!1人4発ずつ殴らせろ!!」
日常会話のようにサラッと言われ、いろんな考えが一気に飛ぶ。
(当たり前か・・・・・)
だからだろうな。
「・・・・・・・・・そんなあなたに惚れちゃったんですから・・・・・」
「あん?なんか言ったか、凛?」
「いえ・・・・ちょっと、気分が・・・少し、もたれかかってもいいですか?」
「あ!?マジか!?悪い悪い!俺が走り回ったから~!」
私の言葉を信じて、急停止してくれるあなたが愛しい。
愛しくて、切なくて、恋しくて、彼の背に両手を回してギュッとすがりつく。
「姿勢、このまままで大丈夫か?平気か?」
「大丈夫です・・・・落ち着きます・・・・」
「そっか・・・じゃあ、宿につくまでくっついてろよ?」
「うん・・・・!」
無邪気に笑う彼に微笑み返す。
そんな私達の元へ、逃げていたはずの4人が戻ってくるまで、それほど時間はかからなかった。
~天国か地獄か!?龍星軍のバカンス!!~前編~ ~完~