彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「さっき、皇助がこいつと組み合おうとした時、相手の構えで気づいてな・・・」
「え!?追いついてたんですか?」
「ま、まぁな。誰がボコるかで、もめてるスキに逃げられて~」
「そういうケンカ、しないでくださいよ!?」
〔★まさに、ムダな争いだ★〕
「僕危うく、裸の写真撮られかけたんですよ!?」
「なに!?この野郎ぉ~~!!10発ぐれー殴ってやる!!」
「お気持ちは嬉しいですが、過剰防衛にされちゃいますよ!?」
「ここは、伊織の顔が利くからいいん・・・・あん?なんだこれ?」
伸びているのぞきの胸ぐらをつかんだ瑞希お兄ちゃんが言う。
「こいつの手に刺さってるのは・・・」
「あ!そうでした!」
その言葉で、私も瑞希お兄ちゃんの隣に移動して相手を見る。
同時に、血液のにおいがした。
匂いの元はのぞきの右手で、細い棒のようなものが刺さっていた。
「なんでしょうか、これ・・・?」
「・・・・凛がするわけねぇし、違うよな?」
「僕はこんな危ない武器は使いません!見て下さい、先がとがってますよ!」
「なんだろうな・・・」
「瑞希お兄ちゃんでもわかりませんか?」
「伊織じゃないからな。誰がやったんだ、凛?」
「え?いえ、それが・・・・殴られそうになってガードした時に、この人が急に叫んで・・・それで見てみたら、刺さっていたと言いますか・・・」
「誰がやったかは見てないんだな?」
「すみません・・・でも、これがなければ、僕、裸にされてたと思います・・・」
「・・・・じゃあ、感謝しなきゃダメだな。」
そう言うと、優しく私の頭をなでる瑞希お兄ちゃん。