彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「だあああああああああああ!!見つけたと思えば、瑞希!!凛助ぇ~~~~!!」
「みーちゃん!凛ちゃんも一緒なの!?」
「のぞきは捕まったか!?」
「警察は、旅館を包囲済みだ。」
「みなさん!!」
程なくして、瑞希お兄ちゃんが来た方向からやってきた4人の先輩。
「やだ!凛ちゃんどうしたの!?浴衣がズタズタ!?」
「モニカちゃんは、着崩れしてますね・・・」
「凛たん、のぞき野郎にやられたんだな!?ひどい姿じゃねぇか!?」
「烈司さんも、ボロボロですね・・・」
「よし。未成年者暴行の罪も追加するように署長に銘じておく。」
「どういうコネクション持ってるんですか、獅子島さん!?1人だけ、浴衣が綺麗だし!?」
「わははははは!凛助ぇ~!俺様の獲物をよくも・・・!!」
「百鬼さん達が喧嘩して、逃がさなかったらよかっただけの話でしょう!?てか、どうしてあなただけ、パンツ姿なんですかァァァ!!?」
いろいろツッコミどころは多かったが、無事、のぞき犯を捕まえることが出来た私達。
日の出に合わせて連行されていく犯人を見ながら、瑞希お兄ちゃんに小声で聞く。
「お兄ちゃん・・・僕を助けてくれた人って一体・・・・」
「・・・・俺ら以外ってことは確かだな。」
「良い人・・・・ですよね?」
「水戸黄門に出てくる、風車の弥七みたいな奴ならいいな。」
「・・・・そうじゃないみたいな言い方ですね・・・?」
「んなわけあるかよっ!姿見せないから、キザな奴~って思っただけだって!」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
「マジで、凛が無事でよかったぜ?あ~よかった、よかった♪」
「うん・・・」
そう答える顔は、どこか無理して笑っている気がした。
だから、そのことを他の4人に話すのが、ずいぶん後になってしまうのだった。
~天国か地獄か!?龍星軍のバカンス!!~後編~ ~完~