赤ずきんの秘密の感情
おばあちゃん家に残って、弦の話を聞き終えた私はゆっくりと頭の中で整理をし始める。
子供の頃から突発的に人格が変わってしまうということ。
段々とその人格をコントロールできるようになったのはここ最近。
でも唯一まだコントロールできないものがある。
その人格が現れるのは【大切な何かを見つけた時】ということだと教えられた。
そして、私に一目惚れというものをしてしまった。
以上。
……複雑なのが絡みあってどうやら変貌してしまうらしい。
難しいことばかりなのはよく分かった。
でも。
「……一目惚れって一体なに」
そこがよく理解出来ていない私にはうまく話が繋がらない。
真剣な眼差しで見つめる……といっても帽子の隙間からだけど弦を見た。
そう聞いた途端、顔が少し赤くなる。
「す……好きになったってこと」
「……どうして?」
「どうしてもこうしても!理由なんて説明できない!」
そうキッパリと言われると質問はできない。
分からないんなら仕方ない。
理解できないけど、まあどうにもできないことなのかな。
「……仕方ない……か」
そう小さく呟くと弦は体を縮めた。
私がどうこうして解決する問題かどうかは別として。
私と同じ……問題を抱えているのは確か。