皆にさようなら、そして私にさようなら






そろそろ私の人生に

終わりを告げよう。



私は深呼吸して足を踏みだ…し……『なぁ







誰かの声が聞こえた


ここまで来て誰かに見つかるなんて

私は最後まで運が悪い。



『なぁ』



しつこい。


『聞こえてんだろ』


あーもう。


『こっち見ろよ』


別に止められても
やめる気はない。


「何」

振り向かずにそう答えた


『いや、別に』

「はぁ?
何も無いのに話かけるとかバカなの?」


あ、振り向いちゃったじゃん


『少なくともお前よりはバカじゃない』


ほんとにムカツク。


「どうせ止めようと思ったとか……
そんな感じでしょ?」

『止められてもやめる気無いくせに。』





『てかさお前仲間にならねぇ?』


こいつ本当に頭おかしいんじゃない?


「今から死のうとしてる人に何言ってんの」

『だから 仲間にならねぇか
って聞いてんだよ』

「は?頭おかしいんじゃないの」

『さっきから黙って聞いてれば
バカとか頭おかしいとか
散々な事いいやがって』

「だって本当のことじゃん」

『ムカツク』


私の方がムカついてます。













あれ、なんで私こんな人と話してるんだろう

まずこの男にここから出て行って貰って
何も見てなかった事にして
誰にも言わないで

って…言わないと。


『お前黙ってんなよ
仲間になんねぇのかよ』

「ならない」

『なんでだ』

「だって見ての通り 私…
明日にはこの世に居ないよ?
1時間後ぐらいにはもう居ないかもしれない」

『そんなの死ななければいい話だ』


「ここまで来てやめるとか有り得ないから
だからさ、何も見てない事にして
貴方は此処から出て行ってくれない?」


『それは出来ない』


「なんでよ」


『だからそれは
お前を仲間にしたいから』


「仲間にしたいってさ
今、会ったばかりの見ず知らずの人を
仲間にしたいとかいいの?」

『いいんだ』






何がいいの。

あー、なんか泣きたくなってきた。

折角 死ねると思ったのに
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