皆にさようなら、そして私にさようなら
もういい。
こんな男なんて無視すればいい話だ
「(ばいばい)」
いつの間にか縁から少し離れてしまっていた
足を縁のギリギリまて戻した
『おい、無視か』
気にしない
フゥー
もう1度空を見上げる
「さよな………ら『死ぬな!!!!!!!!
目を開けると
さっきの男の腕の中にいた
本当に何なんだ
さっき止めないって言ってたじゃん。
死ねなかった。
「止めないって言ったじゃん」
すると男の手が私の頬をなぞった
「な、なに……」
『泣いてる』
「え、」
全然気づかなかった。
私泣いてたんだ…
やっぱり弱いな私
『1人で溜め込み過ぎなんだよ』
不意に言われた言葉が
とても心に響いた
「(ヒック…グスッ…………
涙が止まって
気がついたら私はあの男に
抱き締められていた
まだ離れたくない。
一度掴んでしまったものは
もう離したくない。
『お前は生きてていいんだ』
なんで私の欲しい言葉知ってんの…
もっと離れたくなくなるじゃん
もっと早く貴方みたいな人を見つけたかった
『何かあったんだろ
話してみろよ』
「ごめん、それは言えない」
また私から離れてしまうんじゃないかって
まだ怖いから言えない。
『そっか
ま、無理には聞かない』
ありがとう
貴方の優しさかな?
もう今日は死ぬの諦めよう
私は男の腕の中解いた。
抱き締められたのなんて
何年ぶりだろう。
温かさを感じたのなんて
何年ぶりだろう…
人の温もりってこんなに安心するんだ