契約婚で嫁いだら、愛され妻になりました
『鈴音ちゃん? 寝てるの? お風呂かな? あとでまたかけるね』
その声に、一瞬で血の気が引いた。
(これって……あの人だ)
電話の声でもすぐにわかる。山内の寒気がする柔らかい口調に拒絶反応を起こし、尋常じゃないほど手が震えた。
「なんで」
自分の携帯番号を知られたルートはわからない。ただ、番号を知られている事実に驚愕し、頭の中がパニックになる。
(ちゃ、着信拒否……!)
寸時も早く行動するが、着信拒否の設定など普段そうそう使用しないせいで手間取ってしまう。すると、その間に、ショートメッセージが送られてきた。
【今日は会えなくて寂しかったよ】
【夜ご飯はなにを食べたのかな?】
細切れの文が、次々と送られてくる。
それ以上メッセージを見たくないが、設定をするためには携帯と向き合わなければならない。
しかし、冷静な精神状態からは程遠い今、まともに指先を動かすことは困難だった。
「鈴音? なにしてるんだ?」
「ひゃぁっ!!」
そこに、背後から声が飛んできて、鈴音は心底驚いた。甲高い声を上げ、手にしていた携帯を床に滑り落としてしまう。
鈴音は携帯に気を取られていて、忍が帰宅してきたことに気がつかなかったのだ。
振り向いた鈴音が真っ青な顔をしているのを見て、忍はただ事じゃないと察する。落ちた携帯を拾い上げ、目を落とした。
その間にも、数件メッセージが送られている。
その声に、一瞬で血の気が引いた。
(これって……あの人だ)
電話の声でもすぐにわかる。山内の寒気がする柔らかい口調に拒絶反応を起こし、尋常じゃないほど手が震えた。
「なんで」
自分の携帯番号を知られたルートはわからない。ただ、番号を知られている事実に驚愕し、頭の中がパニックになる。
(ちゃ、着信拒否……!)
寸時も早く行動するが、着信拒否の設定など普段そうそう使用しないせいで手間取ってしまう。すると、その間に、ショートメッセージが送られてきた。
【今日は会えなくて寂しかったよ】
【夜ご飯はなにを食べたのかな?】
細切れの文が、次々と送られてくる。
それ以上メッセージを見たくないが、設定をするためには携帯と向き合わなければならない。
しかし、冷静な精神状態からは程遠い今、まともに指先を動かすことは困難だった。
「鈴音? なにしてるんだ?」
「ひゃぁっ!!」
そこに、背後から声が飛んできて、鈴音は心底驚いた。甲高い声を上げ、手にしていた携帯を床に滑り落としてしまう。
鈴音は携帯に気を取られていて、忍が帰宅してきたことに気がつかなかったのだ。
振り向いた鈴音が真っ青な顔をしているのを見て、忍はただ事じゃないと察する。落ちた携帯を拾い上げ、目を落とした。
その間にも、数件メッセージが送られている。