通学電車、その後。
始業前
朝の、駅のホームで。
てっきり昨日、失恋したと思っていた男子が、私の手を握って歩いてる。
信じられない。
夢なのかな?
学校の反対側はオフィス街もあるので、通勤中の人たちもたくさんいるし、学校の生徒もいる。
織田君は、いいのかな。
私と手をつないでいるところを見られても。
「あ、定期…」
もう改札目前で、ICカードを出さなきゃいけない。
ふとつぶやいたら、織田君は歩みを止めて、するりと手を解いた。
離れちゃった……。
改札を出た後は、一人分の距離を開けて、並んで歩く。
それだけでも夢のような状況なんだけど。
織田君の手にばっかり目が行ってしまう。
何を話していいかもわからないし、告白はできても会話ができないなんて……。
つまんないヤツだと思われたらどうしよう。
すると、突然誰かに背中を叩かれ、思わずむせた。
「愛梨、おはよ!……って、えっ!?織田君じゃん!」
同じクラスの平野澪(ひらのみお)が、織田君が隣にいる姿を見て硬直していた。
彼女だけは、私が昨日、彼に振られたことを知っている。
「……おす」
織田君は表情を変えずにぺこと頭を下げた。
「……えっ?なんで?ふたり、友達になったの?」
「あ~、えーと、澪っ、行こっ!じゃあ織田君、またね!」
私は慌てて澪の腕をつかみ、学校まで走った。
てっきり昨日、失恋したと思っていた男子が、私の手を握って歩いてる。
信じられない。
夢なのかな?
学校の反対側はオフィス街もあるので、通勤中の人たちもたくさんいるし、学校の生徒もいる。
織田君は、いいのかな。
私と手をつないでいるところを見られても。
「あ、定期…」
もう改札目前で、ICカードを出さなきゃいけない。
ふとつぶやいたら、織田君は歩みを止めて、するりと手を解いた。
離れちゃった……。
改札を出た後は、一人分の距離を開けて、並んで歩く。
それだけでも夢のような状況なんだけど。
織田君の手にばっかり目が行ってしまう。
何を話していいかもわからないし、告白はできても会話ができないなんて……。
つまんないヤツだと思われたらどうしよう。
すると、突然誰かに背中を叩かれ、思わずむせた。
「愛梨、おはよ!……って、えっ!?織田君じゃん!」
同じクラスの平野澪(ひらのみお)が、織田君が隣にいる姿を見て硬直していた。
彼女だけは、私が昨日、彼に振られたことを知っている。
「……おす」
織田君は表情を変えずにぺこと頭を下げた。
「……えっ?なんで?ふたり、友達になったの?」
「あ~、えーと、澪っ、行こっ!じゃあ織田君、またね!」
私は慌てて澪の腕をつかみ、学校まで走った。
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