気づいてくれる?
確かに、松浦さんは、他に治療するところもなく今日で終わりになった。
若い男性は、仕事が忙しかったりして、痛くなければなかなか歯医者には通わない。
検査時期にダイレクトメールを送ったりするけれど、実際来院する人は多くはない。
(もう会えない可能性の方が高いんだろうな…)
さっき熱くなった体も心も急に冷めていくような気がした。
「で、麻央さん、今日はどこに?」
考え込んだ私に、また美咲ちゃんが詰め寄る。
「えっ?…あぁ、別にどこって言うか、明日休みだし、しいて言えば、読みたい本が出てるハズだから本屋さんに寄って~とか?…美咲ちゃんは?」
「私?私は、デートですよ!」
ウフッとまるで擬音語が、吹き出しででるような顔をして美咲ちゃんは笑う。
「あんた…それ言いたくて私に聞いたでしょ?」
呆れた視線に怯むことなく美咲ちゃんは
「正解でーす!だって2週間ぶりのデートなんです。嬉しいから言いたくて。じゃ、麻央さん、お疲れ様でした。お先に失礼します~」
手をふり、ロッカー室を後にする、かわいい、そして子憎たらしい後輩を見送り、深いため息をついた。
若い男性は、仕事が忙しかったりして、痛くなければなかなか歯医者には通わない。
検査時期にダイレクトメールを送ったりするけれど、実際来院する人は多くはない。
(もう会えない可能性の方が高いんだろうな…)
さっき熱くなった体も心も急に冷めていくような気がした。
「で、麻央さん、今日はどこに?」
考え込んだ私に、また美咲ちゃんが詰め寄る。
「えっ?…あぁ、別にどこって言うか、明日休みだし、しいて言えば、読みたい本が出てるハズだから本屋さんに寄って~とか?…美咲ちゃんは?」
「私?私は、デートですよ!」
ウフッとまるで擬音語が、吹き出しででるような顔をして美咲ちゃんは笑う。
「あんた…それ言いたくて私に聞いたでしょ?」
呆れた視線に怯むことなく美咲ちゃんは
「正解でーす!だって2週間ぶりのデートなんです。嬉しいから言いたくて。じゃ、麻央さん、お疲れ様でした。お先に失礼します~」
手をふり、ロッカー室を後にする、かわいい、そして子憎たらしい後輩を見送り、深いため息をついた。